2005 Fiscal Year Annual Research Report
細菌のクリソタイルアスベストを介したプラスミド取込み機構とその応用
Project/Area Number |
15580307
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
吉田 直人 宮崎大学, 農学部, 助教授 (50284823)
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Keywords | プラスミド / 大腸菌 / 形質転換 / 弾性体曝露 / 滑り摩擦 |
Research Abstract |
クリソタイルコロイド溶液にプラスミド(pUC18)を加えてクリソタイルに吸着させ、塩濃度を調整し、続いてプラスミド受容菌である大腸菌を分散させた(クリソタイル-プラスミド-大腸菌混合液)。この混合液を寒天等の弾性体中に滴下し、ポリスチレン製ストリークバーとの間に生じる滑り摩擦を与えると(弾性体曝露)、大腸菌は簡単にプラスミドによる形質転換を起し、抗生物質(アンピシリン)に耐性となった大腸菌コロニーが得られた。プラスミド受容菌としての大腸菌は液体培地による培養より、固形培地による培養の方が形質転換効率は高かった。形質転換効率が高くなるよう、いくつかの物理条件を検討したところ、クリソタイル-プラスミド-大腸菌混合液の濁度はOD550の値として2かまたはそれ以上が最適であった。ストリークバーにかかる垂直抗力は40g以上、弾性体の回転スピードは34rpm以上で高い形質転換効率が得られた。これらのパラメーターを最適に調整することにより形質転換効率は10の7乗のオーダーに達した。弾性体曝露による細菌の形質転換の利点はコンピテントセルの調製を必要としないことや、形質転換と培地への塗布が同時にできることである。弾性体曝露による遺伝子導入技術は大腸菌のみならず他のグラム陰性細菌(Pseudomonas sp.Klebsiella sp.)にも適用することができた。また選択培地としてはカナマイシン、クロラムフェニコールが使用できることを確認した。
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