2003 Fiscal Year Annual Research Report
メソ多孔体の環境負荷低減型合成に必要な新規パーフルオロ界面活性剤の開発
Project/Area Number |
15590015
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Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
伊藤 彰近 岐阜薬科大学, 薬学部, 講師 (10203126)
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Keywords | メソ多孔体 / 環境負荷低減 / パーフルオロ / 界面活性剤 / 4級アンモニウム塩 |
Research Abstract |
[1]パーフルオロ4級アンモニウム塩の合成 長鎖パーフルオロアルコール(3-(perfluorooctyl)propanol)を原料とし、クロライド体を経てパーフルオロトリメチルアンモニウムクロライド(R_f(11)TMACl)を高収率で合成することに成功した。 [2]パーフルオロ4級アンモニウム塩をテンプレートとして用いたメソ多孔体の合成並びに評価 シリカ源として層状シリカのカネマイトを用いるFSM-16の合成法に従い合成を検討した。即ち、蒸留水中で撹拌した後、濾取したペースト状のカネマイトを0.1Mのパーフルオロアンモニウム塩の水溶液中に加え、加温下撹拌を行った。その後希塩酸を用いてpH8.5に調整し3時間撹拌した後、室温まで冷却し白色固形物を濾取した。得られた生成物を蒸留水或いはエタノールで洗浄した後60℃で一晩乾燥、その後電気炉で6時間焼成を行った。合成したメソポーラスシリカについては比表面積及び細孔径の測定をし、通常のアルキルアンモニウム塩を用いて合成したシリカとの比較を行った。その結果R_f(11)TMAClを用いても、径がFSM-16に匹敵する大きさの細孔を有するシリカの合成に成功した。本シリカ合成の条件の最適化については現在も検討中である。 [3]メソ多孔体合成後のパーフルオロ4級アンモニウム塩の回収・再利用 使用したR_f(11)TMAClは生成物濾取後の廃水溶液から回収を行った。すなわち2,2,2-ttrifluoroethyltrifluoroacetate(TFETFA)を溶媒として用い、分液ロートによる抽出を行ったところ、実際のシリカ合成においてミセル形成に用いた3.3gのR_f(11)TMAClの内、1.1gが回収されてきた。FC-72やNovec7200といった汎用されているパーフルオロ溶媒ではほとんど抽出されず、またこれらとトルエン、酢酸エチルなどとの混合溶媒系でもR_f(11)TMAClはほとんど抽出されなかった。このTFETFAは母液の液性次第で加水分解が加速される傾向にあるため、より安定なパーフルオロ溶媒の合成も予定しているが、コスト面などからこれまで調査した中ではTFETFAが最も良い抽出溶媒と考えている。
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