2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15590016
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
佐藤 雅之 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (80004654)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 潔 静岡県立大学, 薬学部, 助教授 (40168125)
岩本 憲人 静岡県立大学, 薬学部, 講師 (50254256)
鈴木 由美子 静岡県立大学, 薬学部, 助手 (20295546)
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Keywords | アシルケテン / アンサ型化合物 / ヘテロファン / ピリジノファン / クラウンエーテル / 大環状化合物 / 光学分割試薬 / イミドイルケテン |
Research Abstract |
ベンゼン環などの芳香環がメタ位あるいはパラ位で架橋された化合物はアンサ型化合物と総称される.ピリジノファン型クラウンエーテル,シクロファン,アンサマイシン系抗生物質に代表されるように,アンサ型化合物は生物あるいは化学機能性化合物として重要な地位を占めているが,架橋構造による大きな環ひずみのため,それらの合成は容易ではなかった. 著者らはアシルケテンの先駆体の合成法を見い出すと共に,これら先駆体を沸騰クロロベンゼン中加熱することにより定量的にアシルケテンを生成させることに成功した.そして,ケテン体の高い反応性を活用し,その分子内付加,アシル化を活用しアンサ型化合物を効率良く合成できることを見い出した.すなわち,1,3-ジオキシン-4-オン類を加熱してケテンを生成させ,分子内の水酸基とラクトンさせてマクロラクトンを合成できた.この方法により合成された面性β-ジケトン等価体はアミンの光学分割試薬として優れていることを見い出した.この手法により得られるキラルアミンを用いて光学的に純粋なイミダゾリウムカルベンを創製することに成功した.この不斉カルベンはアルコールの速度論的分割などの触媒として優れていることも実証された.また,従来その大きなひずみのため合成困難であった12-クラウン-5-型ピラノファン,ピリジノファンの初めての合成に成功した.これら新規クラウンエーテル類は環のサイズが小さいため,リチウムイオンを選択的に取り込む機能をもつと期待される.さらに,このビスイミドイルケテンの生成法を見い出し,その分子内環化付加反応により3,6-架橋面性不斉ピリジノファンの合成にも成功した.その光学活性体はキラル配位子として有用と期待される.
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Research Products
(2 results)