2003 Fiscal Year Annual Research Report
ビニルエポキシドによるエンド環化選択的芳香族分子内フリーデルクラフツ反応
Project/Area Number |
15590017
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Research Institution | Hokkaido Pharmaceutical University School of Pharmacy |
Principal Investigator |
南雲 紳史 北海道薬科大学, 薬学部, 助教授 (40246765)
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Keywords | 分子内フリーデルクラフツ反応 / ビニルエポキシド / 7-エンド環化 / エステル基 / 立体反転 |
Research Abstract |
分子内フリーデルクラフツ反応は古くより知られている反応で、さまざまな環状構造の天然物合成に応用されてきている。さまざまな求電子基が利用されてきている中で、エポキシドは二つの反応点があるという点で、着目すべき官能基である。従来の報告例では6-エキソと7-エンドが競合する場合は、6-エキソ環化が優先するということになっている。私はビニルエポキシドを用いれば、その位置制御によって7-エンド環化を優先させることができるものと考えた。そこで、分子内に芳香環を有する種々のビニルエポキシドを合成し、CH_2Cl_2中、BF_3でのエンド選択的な環化反応を検討した。その結果、予想通り7-エンド環化が高選択的に進行し、高収率で7員環成績体が得られた。環化にともなう立体化学の結果はビニルエポキシがエステル基と共役しているかどうかで大きく異なった。すなわち、エステル基が共役したビニルエポキシドの場合、立体反転で環化が進行し、単一の立体異性体が得られた。一方、エステル基が共役しないビニルエポキシドの場合には、生成物は1:1のエピメマー混合物となった。本反応を他のリングシステムに適用することも検討した。6-エンド環化は選択的に進行したが、8-エンド環化は進行しなかった。BF_3以外のルイス酸も検討したが、現在のところBF_3が最適のようである。芳香環状の置換基効果を検討したところ、メタ位とパラ位のメトキシル基がともに反応活性を向上させる役目を担うことが明らかとなった。私はこのユニークな結果が、本反応の反応機構に対して重要な示唆を与えるものと考えている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Shinji Nagumo, Yusuke Ishii, Shinya Kanno, Norio Kawahara: "Stereoselective Syntheses of 2,5-Disubstituted Hydroxyfuran Derivatives as Synthon of Polyether Antibiotics"Heterocycles. 59・1. 101-105 (2003)
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[Publications] Masanori Imai, Masakazu Tanaka, Shinji Nagumo et al.: "Double-Chelation-Assisted Rh-Catalyzed Intermolecular Hydroacylation Between Salicylaldehydes and 1,4-penta- or 1,5-hexadienes"J.Org.Chem.. 69・4. 1144-1150 (2004)