2004 Fiscal Year Annual Research Report
アシルニトロソ化合物の分子内エン反応を機軸とする生物活性海洋アルカロイドの合成
Project/Area Number |
15590024
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
青柳 榮 東京薬科大学, 薬学部, 助教授 (30212385)
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Keywords | ハリクロリン / ピンナ酸 / アシルニトロソ化合物 / 分子内エン反応 / オレフィン閉環メタセシス / 形式全合成 |
Research Abstract |
ハリクロリン及びピンナ酸は、それぞれ細胞接着分子の産生阻害活性あるいは細胞質ホスホリパーゼ阻害活性を有することから疾病治療薬開発のリード化合物として期待されている海洋アルカロイドであり、両者は特異なアザスピロ[4.5]デカン骨格を含む共通の基本構造単位から成り立っている。アシルニトロソ化合物の分子内エン反応による6-アザスピロ[4.5]デカン共通骨格構築を機軸とするハリクロリン及びピンナ酸の立体選択的合成法の確立を目的として本研究を行い、当該年度においては以下の結果を得た。 既に立体選択的合成を確立している、ハリクロリン及びピンナ酸の共通するC3からC15位骨格に相当する(4R*,7R*,7aR*,10aS*)-4-(2-ベンジルオキシエチル)-7-メチルオクタヒドロシクロペンタ[i]-インドリジン-6(7H)-オンのラクタム環の開裂は、通常の酸、塩基による加水分解条件やヒドリド還元条件では困難であった。しかし、種々の検討の結果、最終的にトリフルオロメタンによるイミデート塩形成の後に加水分解し,生じたアミノ酸エステルをヒドリド還元することにより良好な収率で開環成績体である(5R*,13R*,14R*)-5,13-ジ置換アザスピロ[4.5]デカンに導く方法を確立することができた。ここに得られたアザスピロ[4.5]デカン共通中間体より、二級アミノ基の保護,官能基変換,Horner-Wadsworth-Emmons反応などからなる5工程を経てピンナ酸の形式全合成を達成した。さらに,アザスピロデカン共通中間体より,C-5置換基のアリル基への変換,N-2-(エトキシカルボニル)-アリル化を経てジエンを合成、オレフィン閉環メタセシスを適用するキノリジジン環構築を経てハリクロリンの形式全合成を達成した。
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Research Products
(1 results)