2003 Fiscal Year Annual Research Report
創薬を志向した芳香族酸化反応を基盤とする含窒素スピロ環化合物の合成
Project/Area Number |
15590026
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Research Institution | Hoshi University |
Principal Investigator |
本多 利雄 星薬科大学, 薬学部, 教授 (70089788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 美穂 星薬科大学, 薬学部, 助手 (40350219)
水谷 尋丈 星薬科大学, 薬学部, 助手 (60308012)
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Keywords | アザスピロ化合物 / セクリニン / Diels-Alder反応 / McMurryカップリング / イパルビジン / 生理活性化合物 |
Research Abstract |
アザスピロ骨格を有する生理活性化合物として、ロシアで小児麻痺の治療薬として用いられているセクリニンを合成対象とし、その合成を検討した。また、セクリニンは現在抗痴呆薬として欧米で認可されているガランタミンと同様な作用を有することも知られており、中枢神経系における新たな薬理作用が期待される化合物でもある。セクリニンは4環性の化合物であり、そのうちの二つの骨格を一挙に合成すべく2-acetylpyridineより容易に誘導可能なエノールエステルの分子内Diels-Alder反応を鍵反応として使用した。その結果立体選択的に反応は進行し、目的とするγラクトン環とシクロヘキセン環が縮合した化合物が1工程で合成可能となった。得られた成績体はその後数工程を経てセクリニン合成の重要中間体まで変換しその形式合成に成功した。しかしながら本合成法はラセミ体の形式合成であり、その光学活性体としての合成は未だ報告されていない。そこで分子内閉環メタセシスを鍵反応とする別途キラル合成法を検討することとした。まず、分子内閉環メタセシスの予備実験として非依存性鎮痛作用を有するイパルビジンの合成を検討したが、ここでは反応は進行しないことが判明した。本化合物の合成は結果として分子内McMurryカップリングを用いて達成することが出来たが、これはイパルビジンの最初の合成でもある。セクリニンの光学活性体合成を目指して、現在pipecolinic acidを原料とし、立体選択的に第三級アルコールを構築し、さらに分子内閉環メタセシスの基質となるジエンイン化合物の合成を検討中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Toshio Honda: "A formal total synthesis of securinine via an intramolecular [4+2]cycloaddition reaction"Heterocycles. 59. 169-187 (2003)
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[Publications] Toshio Honda: "Total synthesis of an indolizidine alkaloid, (+)-ipalbidine, by means of an intramolecular McMurry coupling reaction"Tetrahedron Letters. 44. 3035-3038 (2003)