2004 Fiscal Year Annual Research Report
アクリル酸エステル誘導体のタンデム型環化反応の開発と生理活性天然物合成への応用
Project/Area Number |
15590027
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Research Institution | Meiji Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
長岡 博人 明治薬科大学, 薬学部, 教授 (30155915)
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Keywords | SmI_2 / 環拡大 / 環化反応 / アクリル酸エステル / 全合成 / ジベレリンA_1 |
Research Abstract |
生理活性物質の中には特有の環状構造を有し、環状部分に多様な官能基が複雑に組み込まれたものが多数存在する。これらを合成する際、その環状構造を適切な官能基を備えた形でいかに効率的に構築するかが重要な問題となる。本研究は、著者らが最近見出したアクリル酸エステル誘導体のSmI_2による連続環化反応の多環性分子合成における適応範囲と限界、生理活性天然物合成への応用、及び新たな環形成反応の開発を目的に行われた。昨年度までの研究で、次の3点の成果:1)SmI_2が誘起する新規環拡大反応の開発;2)SmI_2の誘起する連続的反応の適応範囲と限界の解明;3)セスキテルペンhirustene及び植物ホルモンgibberellin A_1合成の達成、を得ている。本年度はこれらの研究結果を踏まえ、SmI_2による連続的環化反応を合成ルートの基軸とするgibberellin合成経路の改良を中心に検討を行った。まず、アクリル酸エステル部、ケトン、エステルの順で配置した鎖状化合物を数種合成して、SmI_2による連続的環化反応を検討し、アクリル酸エステル部二重結合がZ配置の基質がこの還元的環化-Dieckmann縮合-ラクトン化に高い立体選択性を示すことを明らかにした。次いでC/D環を有する鍵反応の基質の合成を検討し、1,3-シクロヘキサジオンより18工程で合成する経路を開発した。この際、C/D環形成には3-(2-プロピニル)シクロヘキサノン誘導体のラジカル環化を使用した。合成した基質にSmI_2を作用させると期待する連続的環化反応が高立体選択的に進行し、gibberellinの骨格が得られた。この化合物から(±)-gibberellin A)_1への変換は容易に行われた。このルートを用いると1,3一シクロヘキサジオンより(±)-gibberellin A_1が23工程で合成できる。
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