2004 Fiscal Year Annual Research Report
光学活性安定カルベン反応剤の開発と非天然型糖類合成への適用に関する研究
Project/Area Number |
15590029
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
原 脩 名城大学, 薬学部, 助教授 (40222228)
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Keywords | クロスベンゾイン縮合 / 光学活性チアゾリウム塩 / ノルエフェドリン / ビナフトール |
Research Abstract |
アゾリウム塩は塩基存在下で求核的カルベン種を発生し、ベンゾイン縮合反応に利用できる有機触媒である。この反応を基盤とし、通常同一分子間で行うベンゾイン縮合反応を異分子間で行うクロスベンゾイン縮合反応へ展開し、光学活性な非天然型糖類合成へとつなげる計画に基づき、クロスベンゾイン縮合反応の検討と光学活性なアゾリウム塩の開発という2つの部分に分けた。クロスベンゾイン縮合反応を用いて糖類合成を行うにあたり、基質の組み合わせが重要であると考え、一般的なアルデヒド類を用いて異分子間のベンゾイン縮合に関して検討を行ったところ、芳香族アルデヒドと脂肪族アルデヒドの組み合わせにおいて、芳香族アルデヒドを変えることで二種類のベンゾイン成績体が選択的に作り分けられることが明らかとなった。しかも、この反応はチアゾールやトリアゾールなどから由来するいくつかのアゾリウム塩を用いて、検討したところチアゾールから得られるチアゾリウム塩が最もよい結果を与えた。 また、光学活性なアゾリウム塩の開発ではベンゼン環に縮環したチアゾリウム塩がこの一連の反応で高い反応性を示すことが報告されていたので、キラルなビナフトールより誘導することで新規チアゾリウム塩の合成を行った。しかしながら、このチアゾリウム塩は反応性に乏しく、ベンゾイン縮合がほとんど進行しないことが明らかとなった。そこで新たに不斉ベンゾイン縮合に使用されるトリアゾリウム塩を合成することとし、光学活性体とするためその原料としてノルエフェドリンを用いて合成した。その結果、一部収率に難はあるものの目的とする光学活性なトリアゾリウム塩が合成できた。この反応をベンゾイン縮合に用いたところ最高82%eeの光学純度で目的物を得ることに成功した。
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Research Products
(1 results)