2003 Fiscal Year Annual Research Report
ブラシノステロイドの生理機構解明に有用なハイブリッド型プローブの設計と合成
Project/Area Number |
15590034
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
瀬戸 秀春 独立行政法人理化学研究所, 植物機能研究室, 先任研究員 (40175419)
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Keywords | ブラシノステロイド / ハイブリッド型プローブ / 合成 / 光アフィニティー標識 / ビオチン標識 / 受容体 / 水酸化反応 / methyl(trifluoromethyl)dioxirane |
Research Abstract |
植物ホルモン・ブラシノステロイド(BR)は、植物細胞の分化・分裂・伸長に重要な役割を担う一群のステロイド化合物であり、その生理機構解明研究が分子生物学的な手法で盛んに行われている。本課題では、現在、BR研究の中心的テーマとなりつつある輸送、細胞内局在、或いは情報伝達機構の解明研究に有用と考える"BR-機能分子・ハイブリッド型プローブの設計と合成"を目的に研究を進めているが、今年度は以下の様な成果が得られた。 1.天然BRであるカスタステロン(CS)の6位カルボニル基を起点に、スペーサーを介して機能分子とハイブリッド化する条件を検討し、光アフィニティー/ビオチン二重標識CS(1)、ビオチン標識CS(2)の合成を完了した。現在、1と2がプローブとして使えるかどうかを評価するため、シロイヌナズナのBR生合成変異体であるdet2mutantの伸長回復(DHE)テスト、および、BR受容体であるBRI1タンパク質との結合実験を行っている。 2.天然BRであるブラシノライド(BL)のC-25及びC-26を起点とするハイブリッド型プローブの合成原料と考えている25-水酸化-BL及び26-水酸化-BLの合成を開始した。これまで、酸化剤TFD[methyl(trifluoromethyl)dioxirane]による不活性炭素の直接水酸化反応を利用し、BLから十分量の25-水酸化-BL誘導体(3)を合成した。現在、3より、26-水酸化-BL誘導体の合成、および、25-水酸基を起点としたハイブリッド型プローブの合成が進行中である。
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