2004 Fiscal Year Annual Research Report
極微量な生体試料中の痩身用薬の分析法開発と生体曝露評価への適用
Project/Area Number |
15590045
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
中島 憲一郎 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30039656)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中嶋 弥穂子 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (00301367)
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Keywords | 痩身薬 / フェンフラミン / フェンテルミン / N-ニトロソフェンフルラミン / HPLC / 毛髪分析 |
Research Abstract |
昨年度得られた結果をもとに、研究を進めた結果、以下のような成果が得られた。 1.フェンフルラミン、N-ニトロソフェンフルラミン投与後のラット脳内濃度と血中濃度および組織分布を詳細に測定し、これらの体内動態に関するデータを集積した。このデータに基づき、速度論的パラメータを算出した。 2.N-ニトロソフェンフルラミンを投与後、その代謝物であるフェンフルラミンおよびノルフェンフルラミンとともに血中濃度をHPLC-UV法により計測し、代謝過程を推定することができた。 3.さらに、N-ニトロソフェンフルラミンをラット投与後の体毛分析を検討した。HPLC-蛍光検出による超高感度分析法を開発し、これにより体毛中のフェンフルラミンおよびノルフェンフルラミンを定量できた。その結果、白毛にも黒毛同様、これらの化合物が移行することを証明できたことから、メラニン以外の取り込み機構の存在が示唆された。 4.痩身用健康食品を摂取し、肝機能が障害を受けた患者毛髪試料を分析した結果、フェンフルラミンおよびノルフェンフルラミンが検出された。また、セグメント分析の結果、長期間に亘ってN-ニトロソフェンフルラミンを摂取していたことを証明することができた。 5.中枢神経系への影響を調べる目的で、脳内アミン、特にセロトニンおよびドパミンのレベルを測定する計画を立てたが、まだ成果が得られるにはいたっておらず、今後継続して検討する予定である。
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Research Products
(4 results)