2004 Fiscal Year Annual Research Report
環境応答性高分子を用いた生体機能解析のための新規分離システムの開発
Project/Area Number |
15590049
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Research Institution | Kyoritsu University of Pharmacy |
Principal Investigator |
金澤 秀子 共立薬科大学, 薬学部, 助教授 (10240996)
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Keywords | ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド) / 温度応答性クロマトグラフィー / 機能性高分子 / 高機能表面 / HPLC / 充填剤 / 環境応答性 |
Research Abstract |
本研究では、外部刺激により試料との相互作用を変化させ分離選択性を制御する既存の方法にはない全く新しい概念の分離システムを開発し、生体機能解析への応用について検討した。 1.環境応答性高分子の分子設計と合成 生体機能システムに適した機能性高分子を分子設計した。具体的にはPNIPAAmとその共重合体を使用し、これまで分離が困難であったDNAや核酸あるいは、親水性薬物にも対応する温度・pH感受性ポリマーを新たに開発した。農薬、抗菌剤、リン酸化ペプチド分離が可能となった。 2.生体機能解析への応用 薬物代謝酵素P450代謝能解析(テーラーメード医療への貢献):代謝機能解析のためには個々のプローブ薬物の測定が必須となるが、P450分子種CYP1A2,2C19,3A4等のプローブ(指標)薬物の分析に成功していることから、代謝能解析に応用した。プローブ薬物とその代謝物など性質が大きくことなる成分についても単一移動相で外部刺激により分離を制御することにより同時分析可能である。溶離液調製・グラジエント装置などが不要で簡便となるため、医療現場での測定法として期待される。 3.生体機能解析用名のシステムの構築 PDMS(ポリジメチルシロキサン)で作製したマイクロチップに温度応答性充填剤を充填した『温度応答型マイクロチップ』を構築した。マイクロオーダーで分析を行う際にスムーズな送液を達成するためにO_2プラズマ処理により表面の性質を親水化し、微量なタンパクを迅速かつ高感度に検出する技術を目指し、高感度微量分析用にFITC等で蛍光ラベル化したIgG(イムノグロブリン)等のタンパク分析への応用について検討した。新しい生体機能分析用のマイクロシステムを構築のため小型の生体分子間相互作用測定装置について検討した。
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