2003 Fiscal Year Annual Research Report
NK細胞上の抑制性レセプターKLRG1の未知リガンドの同定とその機能の解明
Project/Area Number |
15590057
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松本 直樹 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (40239108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 一夫 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (20174782)
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Keywords | NK細胞 / レセプター / KLRG1 / リガンド / 性状解析 |
Research Abstract |
KLRG1はNK細胞および一部のT細胞に発現するリガンドが未知の抑制性レセプターである。本研究では、その未知のリガンドを同定し、さらにKLRG1の生物学的機能を明らかにすることを目的としている。本年度は、ヒトならびにマウスKLRG1の細胞外領域を大腸菌で発現させ、さらにin vitroでリフォールディングすることにより、可溶型KLRG1を作製した。可溶型KLRG1を用いてKLRG1リガンド発現細胞の検索を行った所、ヒト、マウスともに上皮系がん細胞の一部にKLRG1リガンドが発現していることが明らかになった。また、KLRG1とそのリガンドとの結合は種交差性を持つこと、すなわち、ヒトKLRG1はマウスリガンドと、マウスKLRG1はヒトリガンドと結合性を示すことが明らかになり、KLRG1リガンドが種を超えて高度に保存されていることが推察された。また、可溶型KLRG1を用いた免疫沈降により、KLRG1リガンドが分子量約130kのタンパク質性分子であることが明らかになった。また、今年度、マウスKLRG1リガンドに対する単クローン抗体の作製を試みたが、その作製には至らなかった。種を超えたKLRG1リガンドの保存性が単クローン抗体作製の障害になっているとも考えられる。本年度得られた成果をもとに、来年度はKLRG1リガンドの同定をcDNAクローニングならびにKLRG1リガンドタンパク質の精製と部分配列決定を行う。
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[Publications] Mitsuki M., Matsumoto N., Yamamoto K.: "A species-specific determinant of β_2-microglobulin required for Ly49A recognition of its MHC class I ligand"International Immunology. 16. 197-294 (2004)
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[Publications] Tajima K., Matsumoto N., Ohmori K., Wada H., Ito M., Suzuki K., Yamamoto K.: "Augmentation of NK cell-mediated cytotoxicity to tumor cells by inhibitory NK cell receptor blockers."International Immunology. 16. 385-393 (2004)
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[Publications] Wada H., Matsumoto N., Maenaka K., Suzuki K., Yamamoto K.: "The inhibitory NK Cell Receptor CD94/NKG2A and the Activating Receptor CD94/NKG2C Bind the Top of HLA-E through Mostly Shared but Partly Distinct Sets of HLA-E Res idues"European Journal of Immunology. 34. 81-90 (2004)
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[Publications] 松本 直樹: "NK細胞レセプターLy49によるMHCクラスリガンド認識機構"臨床免疫. 40. 302-308 (2003)