2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15590067
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
本間 浩 北里大学, 薬学部, 教授 (50190278)
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Keywords | D-aspartate / homeostasis / release / hyposmolarity / PC 12 cells |
Research Abstract |
哺乳類の神経内分泌組織や内分泌組織には、高濃度のD型アスパラギン酸(D-Asp)が含まれており、ホルモンの合成・分泌に関与することが徐々に明らかになっている。このようなD-Aspが哺乳類体内で合成されているかどうかは最近まで明らかではなかったが、我々は、哺乳類由来の培養細胞株であるpheochromocytoma(PC)12細胞を用いてD-Aspが生合成されることを証明した。今回我々は、このPC12細胞内で生成したD-Aspが、細胞外へ分泌される経路として、性質の異なる2つの経路が存在することを明らかにした。一つ目の経路は、細胞外Ca^<2+>に依存しており、特に刺激のない条件下でも恒常的にD-Aspを分泌する経路である。SNAREタンパク質群の中の一つのタンパク質の発現を抑えても分泌に影響が認められないことから、エキソサイトーシスとは異なる経路である。エキソサイトーシスで分泌されることが知られているドーパミンの分泌とは、分泌の時間経過、SNAREタンパク質への依存性、Caチャンネル阻害剤に対する感受性などの性質が全く異なっている。 もう一つの経路は、低浸透圧によって引き起こされる分泌経路である。阻害剤に対する感受性から、VSORと呼ばれるチャンネルを経てD-Aspが分泌されていると考えられる。この分泌は、アセチルコリン刺激によって亢進することも明らかになった。このように、内因性のD-Aspは,複数の経路を経て分泌されることが明らかになった。細胞内の内因性D-Aspは、ほとんどが細胞質に存在している。したがって、細胞質のD-Aspがこれらに経路を経て細胞外へ分泌されているものと考えられる。
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Research Products
(3 results)