2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15590088
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Research Institution | RIKEN |
Principal Investigator |
松本 健 独立行政法人理化学研究所, 辻本細胞生化学研究室, 先任研究員 (60222311)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻本 雅文 独立行政法人理化学研究所, 辻本細胞生化学研究室, 主任研究員 (00281668)
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Keywords | mRNP / Y-ボックス蛋白質 / 翻訳調節 |
Research Abstract |
動物の卵母細胞には発生に必要な蛋白質を作るためのmRNAが翻訳されずに多量に貯蔵されている。Yボックス蛋白質は卵母細胞でmRNAに結合して貯蔵mRNPを構成している主要な蛋白質で、mRNAの安定化や翻訳調節に関与することが知られている。 培養細胞を用いてYボックス蛋白質の機能を明らかにするため、これまでにトリDT40細胞のYB-1遺伝子破壊株を作成し、細胞増殖が遅くなることを明らかにした。この遺伝子破壊株にエピトープタグつきのYB1を発現させ、免疫沈降でYB-1を含む複合体を調製した。この複合体に含まれる因子の同定をおこなったところ、いくつかのRNA結合蛋白質やリボソーム蛋白質がRNA依存的にYB-1と複合体を形成していることがわかった。そのほかに、RNA非依存的にYB-1と結合する酸性蛋白質YBAP1を同定した。YBAP1はYB-1のC末側の塩基性領域と結合することがわかった。さらに、mRNAとYB-1との複合体を形成させると無細胞翻訳系でのそのmRNAの翻訳が抑制されるが、ここにYBAP1を添加することにより、翻訳の抑制が解除されることを見出した。mRNA-YB-1複合体とYBAP1をインキュベートしてショ糖密度勾配遠心で分画すると、mRNAが含まれない画分にYB-1-YBAP1複合体が見出されることから、YBAP1はYB-1をmRNAから引きはがすことによって、mRNAの翻訳を回復させるというメカニズムが明らかになった。
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Research Products
(3 results)