2003 Fiscal Year Annual Research Report
摂食、消化器機能調節および生活習慣病に関わるCCK受容体機能分担と遺伝子発現調節:ヒトおよびCCK-A,B,AB受容体遺伝子ターゲティングマウスによる検討
Project/Area Number |
15590093
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
太田 稔 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所・生体機能調節と加齢研究グループ, 研究助手 (70133634)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮坂 京子 財団法人東京都高齢者研究, 福祉振興財団・東京都老人総合研究所・生体機能調節と加齢研究グループ, 副参事研究員 (90166140)
|
Keywords | CCK-A受容体遺伝子多型 / アルコール依存症 / 生活習慣病 / 遺伝子のメチル化 / ノックアウトマウス / CCK-A受容体 / CCK |
Research Abstract |
CCK-A受容体遺伝子多型(-81A to G,-128G to T)を胆道、膵を中心とした消化器疾患において検討した。アルコール依存症では、-81A to Gが多く、しかもGを持つ個体は、依存症の発症年齢が低く、家族歴が濃厚で、反社会的性格や譫妄を有する頻度が高かった。一方慢性膵炎、膵癌では有意の発生頻度の変化はみられなかった。胆嚢癌は症例がなかった。 ラットでは、胎性期にはCCK-A受容体遺伝子発現はみられないが出生後約1週間目頃よりCCK-A受容体遺伝子発現する。このCCK-A受容体遺伝子発現の調節には、遺伝子のメチル化が関係している。ヒト胆嚢のCCK-A受容体遺伝子発現調節について、メチル化との関係の有無と、遺伝子多型との関わりをしらべた。その結果胆石症胆嚢ではメチル化が高度であったが、遺伝子多型との有意の関わりは結論するにはいたらなかった。 CCK-A受容体ホモ欠損マウスでは肥満にはならないが、有意の高頻度で胆石が形成された。CCK-A,B,AB受容体遺伝子ノックアウトマウスの胃排出機能を液体飼料、固形飼料の胃排出速度、および、CCK-8,gastrin、アトロピンの効果を比較した。結果は、CCK-B欠損では胃排出速度が早く、A欠損では変化がなかった。B欠損マウスでは自律神経のバランスがくずれているため、と予測した。一方CCK-A受容体欠損マウスでは、ストレス負荷により、回復時の摂食量の増加が認められた。同時期の胃排出速度は亢進しておらず、この摂食増加は、中枢性に生じていると予測された。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 宮坂京子, 金井節子, 太田稔, 川波賢子, 吉田由紀, 市川みね子, 船越顕博, 瀧口: "コレシストキニン-A,B,AB受容体遺伝子ノックアウトマウスのエネルギー代謝コレシストキニン-A,B,AB受容体遺伝子ノックアウトマウスのエネルギー代謝"消化と吸収. 25. 21-24 (2003)
-
[Publications] 宮坂京子, 太田稔, 船越顕博: "沖縄特産にがうりエキス酢のエネルギー代謝回転亢進と基礎代謝上昇効果"消化と吸収. 26. 103-108 (2003)
-
[Publications] Miyasaka K, Ohta M, Kanai S, Yoshida Y, Sato N, Nagata A, Matsui T: "Enhanced gastric emptying of a liquid gastric load in mice lacking cholecystokinin-B receptor : A study of CCK-A, B, and AS receptor gene knockout mice."J.Gastroenterol. (in press).
-
[Publications] Miyasaka K, Ichikawa M, Kawanami T, Kanai S, Ohta M, Sato N, Ebisawa H: "Physical activity prevented age-related decline in energy metabolism in genetically obese and diabetic rats, but not in control rats."Mech Aging and Develop. 124. 183-190 (2003)
-
[Publications] Sato N, Miyasaka K, Suzuki S, Kanai S, Ohta M, Kawanami T, Yoshida Y: "Lack of cholecystokinin (CCK)-Areceptor enhanced gallstone formation : A study in CCK-A receptor gene"Dig Dis Sci. 48. 1944-1947 (2003)
-
[Publications] Ichikawa M, Ohta M, Kanai S, Yoshida Y, Takano S, Ueoka T, Takahashi T: "Bitter melon-malt venegar increasesdaily energy turnover in rats."J Nutr Sci Vitaminol. 49. 428-433 (2003)