2004 Fiscal Year Annual Research Report
ジケトピペラジンを生体機能発現分子プラットホームとする抗がん・抗ウイルス剤の創製
Project/Area Number |
15590102
|
Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
林 良雄 京都薬科大学, 薬学部, 助教授 (10322562)
|
Keywords | ジケトピペラジン / 生体機能発現分子プラットフォーム / 抗がん剤 / フェニラヒスチン / 簡便合成法 / ラセミ化 / 抗チューブリン剤 / モノデヒドロジケトピペラジン |
Research Abstract |
平成16年度は、昨年度開発したモノデヒドロ-2,5-ジケトピペラジン類の合成法を利用して、実際に天然由来の抗腫瘍物質であるフェニラヒスチンの光学活性誘導体の合成を行ったところ、そのオキサゾール誘導体に関して、高い不斉収率で目的の誘導体合成に成功した。この化合物は、ジケトピペラジン誘導体の抗腫瘍活性での構造活性相関に有益なものである。この結果は、今後モノデヒドロジケトピペラジン類のコンビナトリアル合成に繋がるものであり、ジケトピペラジンの生体機能発現分子プラットフォームとしての有用性をさらに検証できる基盤を与えている。また、ジケトピペラジンの原料となる光学活性アミノ酸合成に有益な新規な固相担持型不斉補助基を開発してきたが、今期においては、固相上での収率および光学収率がともに良好であることを確認し、更にこの固相担持不斉補助基が再使用可能であることを初めて示すことが出来た。この結果は、本樹脂が固相担持型不斉補助基として実用的に利用できることを示唆している。一方、強力な抗腫瘍活性を有するジケトピペラジ誘導体KPU-2の誘導体として、ベンゾフェノン構造を有する化合物が強い活性を示すことを見いだした。ベンゾフェノンは光照射により分子プローブとして標的タンパク質を共有結合形成で修飾できることから、本基盤研究成果の応用として、標的タンパクに対するKPU-2類の詳細な結合様式解析に利用していきたい。抗腫瘍化合物の水溶性プロドラッグ化の研究も行っており、高い水溶性を有する抗チューブリ剤およびその誘導体のプロドラッグの合成の進捗を図り、新しい転位機構による水溶性プロドラッグを開発した。本基盤研究課題は今年度で終了であるが、次年度以降において、さらにこの生体機能発現分子プラットフォームとしてのジケトピペラジ類の有効利用を企画していきたい。
|
Research Products
(6 results)