2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15590130
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
栄田 敏之 神戸大学, 医学部附属病院, 助教授 (00304098)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青山 伸郎 神戸大学, 医学部附属病院, 助教授 (30243299)
奥村 勝彦 神戸大学, 医学部附属病院, 教授 (60025707)
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Keywords | 薬物輸送担体 / トランスポーター / MDRI / 遺伝子 / 遺伝子診断 / ファーマコゲノミクス / ファーマコジュネティクス / ジゴキシン |
Research Abstract |
本研究では、薬物の体内動態、特に、経口吸収、胆汁中排泄、腎排泄に関与しているとされる薬物輸送担体MDR1について、それをコードする遺伝子MDR1の遺伝子診断に基づいて、患者個々に対して最も適した薬剤と用法用量を選択すること、すなわち、オーダーメイド薬物療法を実施することが可能であるか否かについて検討を行う。平成15年度では、MDR1遺伝子型と薬物血中濃度推移との相関解析を行った。 MDR1の典型的な基質である強心配糖体ジゴキシンについて、単回経口投与後の血清中濃度推移とMDR1遺伝子型との相関解析を行った結果、MDR1遺伝子のエクソン26、3435位における遺伝的多型C3435Tがジゴキシンの体内動態を規定することが明らかとなった。具体的には、Cのホモ型の被験者の血清中濃度がTのホモ型と比較して高いこと、およびCとTのヘテロ型がその中間に位置することが明らかとなった。続いて、この原因を究明する目的で、健常人十二指腸の生検組織中のMDR1mRNA発現量とMDR1遺伝子型との相関解析を行った結果、Cのホモ型の被験者における発現量がTのホモ型と比較して低いことが明らかになった。
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