2003 Fiscal Year Annual Research Report
非結合型局所薬物濃度モニタリングに基づく皮膚局所薬物利用率の評価
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15590132
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
黒崎 勇二 岡山大学, 薬学部, 教授 (90161786)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 博己 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (60125151)
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Keywords | 局所利用率 / 局所体内動態 / マイクロダイアリシス / 経皮吸収 / 薬物モニタリング / ケトプロフェン / ブラジキニン / ドラッグデリバリーシステム |
Research Abstract |
薬物送達システム(Drug Delivery System, DDS)の開発研究に際して必要とされる製剤機能のひとつに局所における薬物利用率がある。 本課題の目的は,研究代表者が独自に開発した新規マイクロダイアリシス(MD)法であるマルチバッチ式Zero-Net Flux法やリポ・マイクロダイアリシス(Lipo-MD)法等を応用し,DDS医薬品適用時の作用部位局所における非結合型薬物濃度モニタリングにより,局所薬物利用率を薬物動態学的に評価する方法について検討し,併せて応用薬理学的手法を用いた薬力学的局所利用率の評価法の可能性について検討することにある。 本年度の研究により下記の新たな知見を得た。 1.薬物動態学的局所利用率の評価 (1)マルチバッチ式Zero-Net Flux法による動態解析能の向上性に関する研究 微小透析法を薬物動態研究に応用する際の問題点であった時間解析能は,複数のプローブを同時に使用したZero-Net Flux法により向上できることをin vivoで明らかにした。 (2)Lipo-MD法の応用に関する研究 ケトプロフェンを含有する市販貼付型医薬品適用時の皮下における非結合型薬物濃度の経時的モニタリングを行い,脂溶性の高い光分解物の皮膚内動態のモニタリングは従来のMD法では回収率が低すぎるため不能であった。Lipo-MD法の応用により回収液中に皮膚内で生成した光分解物を検出することができた。 2.薬力学的局所利用率の評価 応用薬理学的手法を用いてブラジキニンの3相性の血管反応(弛緩→収縮→弛緩)の作用強度の経時的変化を速度論的手法を応用して解析し,これら3つの反応の発現時間および作用時間に関するパラメータの分離評価を試みた。これにより,従来の最大薬効強度の変化を指標とする薬理学的評価では説明不能であった弛緩反応抑制剤投与時の最大収縮反応の増大などが説明できた。
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