2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15590133
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
佐々木 均 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 教授 (00170689)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 純三 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30115901)
中嶋 幹郎 長崎大学, 歯学部附属病院, 助教授 (00260737)
西田 孝洋 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 助教授 (20237704)
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Keywords | 局所 / 遺伝子治療 / 薬物送達 / リポソーム / 高分子 / ベクター / 速度論 / 動態 |
Research Abstract |
局所に対する遺伝子治療は、難治性疾患の新しい治療法として期待されている。しかし、臨床において実用的であると考えられる非ウィルスベクターによる遺伝子導入法は、遺伝子導入効率の改善に関する系統的な情報に乏しいのが現状である。そこでカチオン性脂質のDOTMA、融合能を持つ中性脂質DOPE、コレステロール(Cho1)を成分とするカチオン性リポソームを作成し、脂質組成の遺伝子発現に及ぼす影響を調べた。また、カチオン性高分子としてポリエチレンイミン(PEI)を用い、製剤的な工夫を加え遺伝子発現に及ぼす影響を検討した。モデルpDNAとして、CMVプロモーターを有し、ホタルルシフェラーゼ(Luc)をコードしたpCMV-Lucを用いた。 既に、家兎を用いて硝子体内へpDNA/リポソーム複合体を適切な電荷で投与することにより、高い遺伝子発現を得られることを示した。 本年は、細胞培養系を用い、融合脂質DOPEを、生体膜に影響を及ぼす各種資質(ビタミンE、リモネンなど)に置換して、遺伝子導入効率を検討した。その結果、いずれの脂質もDOPEに匹敵する遺伝子導入発現が認められたが、生体成分による影響に差が認められた。また、細胞系を用い、カチオン性高分子PEIとpDNAの複合体を作成し、遺伝子導入効率を精査した結果、荷電を制御することにより高い遺伝子導入発現が認められた。さらにアニオン性高分子を添加し、3重複合体を作成し、遺伝子発現効率を調べた結果、poly-L-aspartic acid sodium saltにより、より高い遺伝子導入効率を得ることができた。実際、マウスを用いてpDNA/PEI複合体を静脈注射した結果、肝臓・脾臓・肺で高い遺伝子発現が認められた。 これらの情報から遺伝子発現の効率改善に関する因子を整理した。
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Research Products
(6 results)