2003 Fiscal Year Annual Research Report
培養皮膚モデルを用いたドレーズ試験に代わる皮膚刺激性評価法に関する研究
Project/Area Number |
15590137
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Research Institution | Josai University |
Principal Investigator |
杉林 堅次 城西大学, 薬学部, 教授 (00105834)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石橋 卓也 東洋紡, 敦賀バイオ研究所, 主任研究員
長谷川 哲也 城西大学, 薬学部, 助手 (50245148)
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Keywords | 皮膚刺激性 / 塩化セチルピリジニウム / MTT試験 / Hill式 / 三次元培養ヒト皮膚モデル / ヘアレスマウス / モルモット / サイトカイン |
Research Abstract |
皮膚刺激性を有しHPLCで定量可能なことからモデル皮膚刺激性物質として塩化セチルピリジニウム(CPC)を選択し,モルモットおよびヘアレスマウスにおける皮膚刺激性試験を実施した.皮膚刺激性はMTT試験(細胞毒性試験)により評価し,その際の皮膚中CPC濃度をHPLCで測定した.皮膚刺激性(死細胞率)と皮膚中濃度の関係を,Hill式を用いて解析した結果,モルモットとヘアレスマウスでは異なる曲線を示したものの,皮膚状態の違い(無傷および損傷皮膚)や適用部位の違い(腹部および背部)によらず各動物において1つのHill式で表すことができた.このことから,皮膚刺激反応の程度は皮膚中薬物濃度によって説明することができると考えられた.次に,三次元培養ヒト皮膚モデル(LSE-high)とヘアレスマウスを用いてMTT試験による生細胞率の減少と皮膚中濃度の時間推移について速度論的な解析を行い,in vitro(LSE-high)とin vivo(ヘアレスマウス)の結果を比較した.さらに,ヘアレスマウスでは皮膚中サイトカイン(IL-1α,TNF-α,IL-6およびMIP-2)との関連についても検討した.生細胞率は,LSE-highおよびヘアレスマウスのいずれも皮膚中CPC濃度の上昇に伴って減少した.LSE-highでは損傷皮膚において1相性の刺激挙動を示したが,無傷皮膚では2相性となりこの時のCPC濃度は刺激挙動の変曲点以降ほぼ一定であった.また,ヘアレスマウス無傷皮膚においても変曲点が観察されたがこの移行は明確ではなく,皮膚中濃度も徐々に上昇した.さらに,ヘアレスマウスにおける皮膚中サイトカインの放出動態から,まずIL-1αおよびTNF-αが,次いでIL-6,MIP-2が産生されることが示唆された.
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