2003 Fiscal Year Annual Research Report
胎盤関門における薬物透過機構解明のための胎盤組織内への遺伝子導入方法の構築
Project/Area Number |
15590139
|
Research Institution | Showa Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
渡辺 善照 昭和薬科大学, 薬学部, 教授 (70175131)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 まき子 昭和薬科大学, 薬学部, 助教授 (50199296)
近藤 昌夫 昭和薬科大学, 薬学部, 講師 (50309697)
|
Keywords | 胎盤 / アデノウイルスベクター / CAR / integrin / ヘパラン硫酸 |
Research Abstract |
1)胎盤組織への遺伝子導入効率を高めるためのベクター開発 アデノウイルス(Ad)のファイバーノブにRGD配列、およびK7(KKKKKK)配列を発現させることにより、αvインテグリン、ヘパラン硫酸を感染受容体とするファイバーミュータントAdベクターを作製した。本ベクターは従来のAd感染受容体であるcosakievirus and adenovirus receptor (CAR)の発現の少ない細胞に対しても効率良く遺伝子導入可能であり、CAR陰性細胞に対し従来型Adベクターの10〜1000倍の遺伝子発現を示した。 2)標的細胞への遺伝子導入効率評価の基礎検討 ヒト胎盤由来細胞株(BeWo、JEG-3、JAR)を用いて、これら細胞株のAd受容体であるCAR、およびintegrinの発現を遺伝子レベルにおいて調べた。各細胞への遺伝子導入効率を検討するために、従来型Adベクター、αvインテグリンに高親和性を示すAdベクター、およびヘパラン硫酸に親和性を示すAdベクターを細胞に作用させ、ルシフェラーゼ発現を指標に遺伝子導入効率を測定した。 BeWo、JEG-3、JAR細胞においてCARおよびintegrinの発現が認められた。各細胞への遺伝子導入については、従来型Adベクターで高いルシフェラーゼ活性が得られ、上記の各細胞へ遺伝子導入できることが示された。従来型Adベクターよりも広い感染域を持つファイバーミュータントAdベクターでは、従来型Adベクターに比べてルシフェラーゼ活性が最大で100倍以上に増大した。本実験結果から、ヒト胎盤由来細胞株への遺伝子導入にAdベクターが有用であり、またファイバーミュータントAdベクターを用いることによりさらに高い遺伝子導入効率が得られることが明かとなった。
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] 小泉直也, 水口裕之, 宇都口直樹, 渡辺善照, 早川堯夫: "Generation of fiber-modified adenovirus vector containing heterologous peptides in both the HI loop and C terminal of the fiber knob."The Journal of Gene Medicine. 5. 267-276 (2003)