2004 Fiscal Year Annual Research Report
中性アミノ酸輸送系システムLと膜電位存性カルシウムチャンネルとの機能的連関
Project/Area Number |
15590143
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
藤田 卓也 京都薬科大学, 薬学部, 助教授 (00247785)
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Keywords | 中性アミノ酸輸送系システムL / Gabapentin / マウス大脳皮質ニューロン / ヒトアストロサイト / 電位依存性カルシウムチャネル / nitric oxide synthase / α_2δ subunit |
Research Abstract |
本年度は、マウス大脳皮質初代培養神経細胞を用いてgabapentin(GBP)の輸送機構および電位依存性カルシウムチャネル(VGCC)の阻害機構を検討した。RT-PCRと蛍光免疫染色により大脳皮質神経細胞においてもNa^+非依存性中性アミノ酸輸送系system Lが発現していることが示された。GBPの大脳皮質神経細胞への輸送もヒトアストロサイトでの結果と同様、Na^+非依存的かつpH依存的であり、その輸送は中性アミノ酸やGBP構造類似体、中性アミノ酸輸送系system Lの選択的基質であるBCHにより競合的に阻害された。また、L-phenylalanineの細胞内への輸送もGBPにより競合的に阻害されたこと、さらに細胞内に前負荷したGBPの細胞外へのeffluxにおけるtrans-stimulation実験の結果より、GBPの大脳皮質神経細胞への輸送もNa^+非依存性中性アミノ酸輸送系system Lを介して行われていることが明らかとなった。本検討に用いた培養条件下で、大脳皮質神経細胞はL-type、N-type、P/Q-typeのVGCCを発現・機能していることが示され、GBPはKCl脱分極刺激により増大する細胞内cGMP量([cGMP]_i)を濃度依存的に抑制した。また、L-typeおよびP/Q-type VGCCに特異的な阻害剤存在下においてもGBPは[cGMP]_iを濃度依存的に抑制したことから、GBPは非選択的に大脳皮質神経細胞に発現しているVGCCに作用することが明らかとなった。さらに、脱分極刺激下でのGBPのVGCCに対する作用は中性アミノ酸の共存により消失したことから、細胞内に輸送されたGBPがVGCCの機能発現に影響を与えている可能性が示唆された。
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