2003 Fiscal Year Annual Research Report
薬剤の組織細胞内分布に関する解明研究(免疫組織化学)
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15590148
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
藤原 邦雄 崇城大学, 工学部, 教授 (00039653)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 琢 崇城大学, 工学部, 助教授 (10209538)
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Keywords | 抗癌抗生物質 / ダウノマイシン / 免疫組織化学 / 組織細胞内分布 / グルタルアルデヒド / 薬理学的研究 |
Research Abstract |
1.抗癌抗生物質Daunomycin(DM)抗体の特異性の検討:ELISA法において、Anti-DM血清はDM-glutaraldehyde-human serum albumin複合体(固相抗原)と強く反応した。またその抗原抗体反応の結合はDM、及び類縁体のAdriamycin, Epirubicinによって特異的に阻害されたことから抗体のDM(類縁体)への特異性が確立された。 2.DMの免疫組織化学の至適条件の確率:DMをHuman melanoma BD培養細胞に取り込ませた細胞資料について、下記の免疫組織化学に不可欠な細胞の前処理条件を確立した。 a)固定化:各種固定液を試験した中で1-3%glutaraldehyde(GA)による室温、30分の浸漬固定が最適であった。 b)塩酸処理:細胞核内のDMを抗体と反応させるためには、資料を1N HC1で30分間処理する必要があった。 c)還元処理:過剰のGAによる非特異的な免疫反応の除去に、0.5%NaBH4、5分処理が必要であった。 d)酵素処理:抗体の細胞内への浸透性を高めるために、0.004%protease、30分処理が最適であった。 e)界面活性剤処理:免疫反応では溶液抗体中に0.1%Triton X-100を加え、浸透性を高める必要があった。 f)Indirect immunoperoxidaseによる免疫組織化学:細胞試料をanti-DM血清(5000倍希釈)と4℃で一昼夜反応させた。更に、2次反応にはHorseradish peroxiedase-標識goat anti-rabbit IgG/Fab'を用いて、室温、2時間反応させた。尚、標識体の全画IgGを用いたり、2次反応時間を短くすると、免疫反応が極端に減弱することが確認された。 g)DM免疫染色結果:BD細胞の核質、及び細胞中のperinuclear Golgi regionとlysosomes中に強いDMの特異的な免疫反応が観察された。 3.免疫組織化学とDM自家蛍光法の比較 Formaldehydeで固定したBD細胞のDM自家蛍光は、細胞の核質中にのみ強いorangeのDM蛍光を認めた。またGAで固定した細胞試料では、formaldehyde固定の場合とは異なり、Golgi regionにDM蛍光を認め、核質中には蛍光を認めなかった。以上のことから今回の免疫組織化学による方法がより簡潔に正確な結果が得られることが判明した。 4.動物実験:DMをi.v.投与したWistarラットを用いて、一定時間後に左心房から2-3%GAで還流することによって組織中のDMを効率よくin situに固定出来ることが判明した。現在各種臓器中(腎蔵、心臓)のDMの分布を確認中である。 5.DMモノクローナル抗体(mAb)の作製:DM-GMBS(架橋剤)-牛血清アルブミン複合体(抗原)に対するmAb(3種)の作製に成功した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Tanabe, T., Murata, I., Karasuyama, M., Shin, M., Ueoka, R., Fujiwara, K.: "Immunoelectron-microscopic study for histamine in the gastric enterochromaffin-like(ECL) cells of rats treated with the proton pump inhibitor lansoprazole."Histochem.Cell Biol.. 120(5). 401-408 (2003)
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[Publications] Tanabe, T., Shin, M., Fujiwara, K.: "Immunoelectron microscopy study for polyamines using a newly prepared monoclonal antibody against spermidine : Use of a mixture of glutaraldehyde and paraformaldehyde as a cross-linking agent in the preparation of the antigen."J.Biochem.. 135(4)(in press). (2004)