2003 Fiscal Year Annual Research Report
細胞病態にみられる中間径フィラメントネットワーク変異の分子機序-新規中間径フィラメント関連タンパク質・デスマスリンの機能と細胞病態との関わり
Project/Area Number |
15590155
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
土方 貴雄 群馬大学, 医学部, 講師 (70189786)
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Keywords | デスマスリン / プレクチン / F-アクチン / 結合ドメイン |
Research Abstract |
新規タンパク質デスマスリンと中間径フィラメント結合タンパク質プレクチンは結合するが、その結合ドメインに関しては不明である。そこで本年度は結合ドメインの解析を様々なコンストラクトに基づくリコンビナントタンパク質を用いてプルダウンアッセイにより行った。デスマスリンにおけるプレクチン結合ドメインはロッドドメインとテールドメインの境界領域に存在した。一方、プレクチンにおけるデスマスリンの結合ドメインは3箇所認められた。一つはエクソン1の領域、もう一つはアクチン結合ドメインを含むカルポニンホモロジードメイン(エクソン2-8)領域、3番目の箇所としてスペクトリンリピート1領域の一部(エクソン15-20)である。この結果でプレクチンのアクチン結合ドメインを含む領域にデスマスリンも結合することが示されたので、アクチンとデスマスリンの間でプレクチン上の結合ドメインへの競合が起るかどうかが疑問となった。そこで競合的アクチン共沈実験を行った結果、F-アクチンとデスマスリンとの間で競合は起らないことが明らかになった。すなわち、プレクチンは同時にアクチンにもデスマスリンにも結合しうるということである。さらにこの実験に附随してデスマスリン自体も弱いながらもアクチン結合能をもつことが明らかになった。以上の結果から次のようなことが考察された。1)デスマスリンの結合するプレクチン・エクソン1の領域はプレクチンのアイソフォームによって異なり欠損するアイソフォームも存在する。したがって、プレクチンアイソフォームによりデスマスリンに対する結合安定性が異なることが推察される。2)プレクチンおよびデスマスリンは互いに結合すると共にF-アクチンにも結合し三点で結合している関係にあると考えられる。
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Research Products
(1 results)