2004 Fiscal Year Annual Research Report
脂質特異的プローブを用いた脂質ラフトの細胞内動態の検討
Project/Area Number |
15590157
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
馬場 健 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助教授 (90208710)
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Keywords | 脂質ラフト / スフィンゴミエリン / ライセニン / コレラトキシン / エンドサイトーシス |
Research Abstract |
脂質ラフトを構成する主要な脂質はコレステロールとスフィンゴミエリンであることが知られているが、それらの脂質の細胞内局在と動態は、適切なプローブが存在しなかったためほとんど明らかになっていない。本研究の目的はスフィンゴミエリン特異的プローブ、ライセニンを用いて脂質ラフトの細胞内動態を検討することであり、平成16年度に新たに作成したコロイド金直接標識ライセニンを用いて以下の成果が得られた。 1.スフィンゴミエリンの細胞表面での二次元分布の検討:ヒト培養細胞Jurkat細胞の細胞表面におけるラフト関連脂質、スフィンゴミエリンとガングリオシドGM1をそれぞれコロイド金標識ライセニンとコレラトキシンで4℃で標識し、ポリ-L-リジン処理スライドグラスに遠心付着させた。細胞膜断片をポリ-L-リジン処理カバーグラスを細胞に被せて剥がすことで回収した。細胞膜断片は可視化処理を行い、透過型電子顕微鏡で観察した。その結果スフィンゴミエリン、GM1ともに細胞膜上でドメインを形成していたが、互いの分布には関連性が認められなかった。このことはRipley's K-function testを用いた形態解析により確認された。ラフト構成脂質の分布に差があることより、ラフトにも多様性が存在することが示唆された。 2.スフィンゴミエリンの細胞内動態の検討:コロイド金直接標識ライセニンを用いることでプローブによる凝集のないnativeに近い状態でのスフィンゴミエリンの動態を検討した。ヒト線維芽細胞F592細胞を金標識ライセニンと4℃でインキュベートし、37℃に加温して経時的に固定、電顕試料を作成して観察した。その結果、プローブの凝集の有無にかかわらず、スフィンゴミエリンの細胞内取り込み像はあまり認められなかった。また、スフィンゴミエリンはクラスリン被覆ピットやカベオラなどの取り込み構造には集積していなかった。
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Research Products
(5 results)