2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15590163
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
緒方 重光 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (40305173)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
峰 和治 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (50209839)
田松 裕一 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (80266569)
|
Keywords | 舌下神経 / 舌神経 / 交通枝 / 3次元構築 / 簡易組織鍍銀法 / 運動神経 / 知覚神経 / マイクロCT |
Research Abstract |
1.緒方重光:ヒトについて,舌下神経と舌神経の交通枝に関する所見を採取した。結果として,舌下神経と舌神経の交通枝は,通常容易に観察される舌骨舌筋の前部筋束上以外に,オトガイ舌筋中の舌中部と舌尖部の計3箇所で確認された。また左右側の両神経の交通枝は,舌体部では舌中隔に阻まれて存在しないが,舌尖部の舌中隔が途切れる辺りに見られた。両神経の交通は,さらに末梢側の舌中部と舌尖部でも観察された。特に舌尖部では舌神経と舌下神経が神経叢とも言えるほど複雑な網の目をつくっている。また,舌下神経は基本的に舌筋の運動を支配する純運動性の神経とされているが,舌神経と交通することによって,いくらかの知覚線維も含んでいると考えられる。舌神経は,舌内では本幹から7〜8本の細枝が分かれており,それらが網目状に多数のループを形成しながら舌背に分布していた。特に舌尖部では神経線維の蛇行が強く複雑に分岐していた。以上について,さらに解析を進める予定である。 2.田松裕一:舌筋と関連の深い舌骨の構造解析のために,極微小焦点X線断層撮影装置(マイクロCT)(東京歯科大学設置既存設備)を用いて撮影している。さらに3次元構築ソフトにより神経の走行の3次元立体画像作成を行っている。 3.峰和治:成人の舌を用い,神経線維と周囲組織との識別を容易にするために材料にたいし簡易組織鍍銀法を施した。その材料を,実体顕微鏡下で観察しながら,舌下面より舌の外側部分から末梢側へと両神経の走行を舌尖部まで肉眼解剖的に観察した。その際に,実体顕微鏡による観察やそれらの筋への神経解析を行っている。
|