2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15590180
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
古家 園子 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (20096952)
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Keywords | 小腸 / 筋繊維芽細胞 / 上皮細胞 / 神経 / ATP / ギャップ結合 / 細胞間Ca^<2+>シグナリング / RT-PCR |
Research Abstract |
消化管の絨毛上皮細胞下でネットワークを形成している筋線維芽細胞は様々な細胞外マトリックスを分泌し、上皮細胞の分化、移動と密接な関連をもっているのみならず、吸収上皮細胞の持つ水や電解質の分泌、吸収機能を直接および間接的に制御している可能性がある。筋線維芽細胞は機械的刺激に応答してATPを放出してCa^<2+>waveを発生するメカノセンサーであることを我々は明らかにしてきた。平成15年度は、1)筋線維芽細胞と神経芽細胞(PC12細胞やNG108-15細胞)をco-cultureし、機械的刺激により、Ca^<2+>waveが筋線維芽細胞から神経芽細胞に伝播することを明らかにした。これは、食べ物や水などの摂取により機械的刺激が小腸絨毛に与えられると、筋線維芽細胞からATPが放出され、隣接した神経終末に作用して、反射や血流の調節を行っている可能性を示す。筋線維芽細胞から上皮細胞へのCa^<2+>シグナリングについては、現在、上皮細胞とのco-culture系の確立中であり、今後、明らかにする予定である。2)筋線維芽細胞は細胞内cAMP濃度の上昇に伴って、フラットから星状に変化する。この形態変化が上皮細胞に及ぼす影響としては、分泌物の変化に伴う物質的な影響と細胞の形態変化による物理的な影響が考えられる。そこで、小腸の初代培養の筋線維芽紳胞について、フラットな形態および星状への形態変化に伴って細胞外マトリックス(コラーゲン、ラミニン、テネシシ)や、HGFなどの成長因子、TGF-β、TNF-α,IL-1などのサイトカインの分泌に差異があるか、まず、RT-PCR法で検討したが、差異は認められなかった。今後はフラットおよび星状の小腸の筋線維芽細胞の培養液をラット大腸由来上皮細胞株IEC-6やヒト大腸由来Caco-2細胞に添加し、DNA合成や分化、上皮間のギャップ結合の透過性に及ぼす影響を検討する。
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Research Products
(1 results)