2004 Fiscal Year Annual Research Report
肝再生能における蛋白分解カスケードの役割:遺伝子欠損マウスの骨髄細胞移植の解析
Project/Area Number |
15590197
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
岡田 清孝 近畿大学, 医学部, 講師 (20185432)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 理 近畿大学, 医学部, 教授 (40030879)
上嶋 繁 近畿大学, 農学部, 教授 (30193791)
岡本 知可子 近畿大学, 医学部, 助手 (90368291)
河尾 直之 近畿大学, 医学部, 助手 (70388510)
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Keywords | プラスミノーゲン / α_2-アンチプラスミン / 肝再生 / 骨髄細胞移植 / 細胞外基質 |
Research Abstract |
肝障害後の再生過程において、線溶系因子を中心とする蛋白分解カスケードは、細胞外基質の分解・再構築や障害細胞の除去などへの関与が考えられる。そこで、本研究では、骨髄細胞移植した線溶系のノックアウトマウス(-/-)におけるplasminogen(Plg) とそれを制御するα_2-antiplasmin(α_2-AP)の四塩化炭素肝障害後の肝再生過程への関与について解明することを目的とした。前年度は、骨髄細胞の非移植マウスの四塩化炭素肝障害後の肝再生過程において細胞外基質の分解・再構築にPlg/α_2-AP系の重要性を示唆した。 本年度は、分離肝細胞の肝再生過程における機能解析と、肝細胞骨髄細胞移植マウスを用いた系での肝再生能に対する線溶系の関与について検討した。まず、骨髄細胞の非移植マウスの結果においては肝再生能をPlg/α_2-AP系が制御していることを示唆した(J Hepatol 2004)。さらに、分離肝細胞系の解析では、肝細胞にPlgが結合し、効率良く活性化することを認め、肝再生過程での肝細胞上でのplasmin活性の重要性を示唆した(英文論文投稿中)。次に、骨髄細胞移植マウスの実験系においては、四塩化炭素肝障害後にレシピエントマウス(Plg-/-)の再生過程の肝臓内および分離肝細胞内にドナーマウス(Plg+/+)のPlg遺伝子、Plg蛋白およびの発現を認め、さらにplasmin活性(fibrin enzymography)の発現を確認した。肝臓切片の組織染色解析において、Plg-/-にPlg+/+の骨髄細胞を移植したマウスはPlg-/-にPlg-/-の骨髄細胞を移植したマウスより障害面積の減少が見られ、肝再生の亢進を示した。また、これらの系での遺伝子および蛋白の変動についてcDNAマイクロアレーとプロテオーム解析を試みた。 以上のことから、レシピエントマウスの肝再生過程の肝臓内にドナーマウスの移植・生着した骨髄細胞からの肝細胞が誘導され、さらに線溶系因子の発現により肝再生能の亢進を示した。これらの結果は、再生医療の基礎的知見としての重要性を示唆した。
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Research Products
(4 results)