2003 Fiscal Year Annual Research Report
視床下部-辺縁系によるレム睡眠中の陰茎勃起の調節機構の解析
Project/Area Number |
15590211
|
Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
小山 純正 福島県立医科大学, 医学部, 助教授 (80183812)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
香山 雪彦 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (30035224)
高橋 和巳 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (90325952)
|
Keywords | 視索前野 / 外背側被蓋核 / レム睡眠 / 陰茎勃起 / 室傍核 / 分界条床核 / アセチルコリン / ラット |
Research Abstract |
レム睡眠中の陰茎勃起に関する神経メカニズムを明らかにするため、今年度は、(1)視索前野において、ウレタン麻酔下、頭部のみを拘束した無麻酔の条件で、電気刺激による陰茎勃起に対する効果を調べた。 (2)われわれは、すでに脳幹(外背側被蓋核、LDT)のアセチルコリン作動性ニューロンがレム睡眠の発現に関与していることを明らかにしてきた。そこで、LDTがレム睡眠中の陰茎勃起に関与する可能性を探るため、LDTの電気刺激の陰茎勃起に対する効果を調べ、(3)陰茎勃起中のLDTニューロン活動の記録を試みた。 その結果、(1)無麻酔下では、室傍核、視索前野内側部、外側部、分界条床核などで、陰系勃起が誘発された。その潜時は、室傍核、視索前野内側部で短く、視索前野外側部では長い傾向が認められた。また、ウレタン麻酔下では、陰系勃起が誘発される領域は、室傍核、視索前野内側部に限られ、外側部ではほとんど誘発されなかった。 (2)LDTの電気刺激によっても陰茎勃起が誘発された。 (3)LDTのアセチルコリン作動性ニューロンの一部は、レム睡眠中の陰茎勃起に同期して(数秒間先行して)バースト発火することを確認した。 以上の結果は、室傍核、視索前野内側部などの内側系と、視索前野外側部を中心とする外側系が陰系勃起に関して異なった様式で関与している事を示唆する。また、LDTのアセチルコリン作動性ニューロンがレム睡眠中の陰茎勃起の発現に重要な役割を果たすと考えられる。 今後は、陰茎勃起に関する脳幹と視索前野の相互作用について、また本研究の中心課題である視索前野と辺縁系との相互作用について明らかにしていきたい。
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] Y.Koyama, K.Takahashi, T.Kodama, Y.Kayama: "State dependent activity of neurons in the laterodorsal hypothalamic area during sleep and waking"Neuroscience. 119. 1209-1219 (2003)