2003 Fiscal Year Annual Research Report
魚油によるインスリン抵抗性改善機序と血中レプチン値及びその遺伝子発現量との関連性
Project/Area Number |
15590215
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
池本 真二 お茶の水女子大学, 生活科学部, 助教授 (10176117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金 賢珠 城西大学, 薬学部・医療栄養学科, 講師 (70348176)
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Keywords | 魚油 / 抗肥満作用 / 耐糖能改善 / 血中脂質低下作用 / レプチン / インスリン抵抗性 / 脂肪酸組成 |
Research Abstract |
魚油の抗肥満、耐糖能改善、血中脂質低下等の作用は顕著であり、積極的な魚油摂取によって生活習慣病を予防できる可能性が高いため、その作用機序の解明が急がれている。こうした状況の中、抗肥満因子として知られるレプチンが、脂肪細胞より分泌され、直接あるいは脳を経由し交感神経系を介して、末梢組織に作用し、インスリン抵抗性を抑制することが報告された。そこで本研究では、魚油のインスリン抵抗性改善機序と血中レプチン値の変化との関連性について検討を行っている。今年度は、魚油と脂肪酸組成の異なるサフラワー油やパーム油を用いた実験を行い、魚油の抗肥満作用とインスリン抵抗性に及ぼす影響について調べた。 C57BL/6Jマウスにおいて、脂肪酸組成の異なるサフラワー油(S)、魚油(F)、パーム油(P)を用い、脂肪エネルギー比が20%の高炭水化物食(S-HC、F-HC、P-HC)及び50%の高脂肪食(S-HF、F-HF、P-HF)、魚油30%とサフラワー油20%を混合した脂肪エネルギー比50%の高脂肪食(FS-HF)の計7種類の餌を摂取させた。飼育開始後、9週目に糖負荷試験、13週目にインスリン負荷試験を行い、14週間の飼育終了後、採血して血中総コレステロール(TC)値、中性脂肪(TG)値、遊離脂肪酸(NEFA)値、インスリン値などを測定した。終体重、体重増加量、脂肪組織重量は、S-HF群、P-HF群、FS-HF群でS-HC群、P-HC群より増加していたが、F-HF群だけは、F-HC群よりも低い傾向にあった。TC値、TG値、NEFA値は、20%脂肪食群間および50%脂肪食群間において、F群でS群、P群より低値を示した。耐糖能はS-HF群で最も悪く、ついでP-HF群で明らかに耐糖能異常が見られた。一方、50%脂肪エネルギー比の高脂肪食群であるにも関わらず、F-HF群、FS-HF群では耐糖能の悪化がはとんど認められなかった。現在、魚油の血中脂質低下作用、耐糖能改善効果が見られる魚油含有量の検討と血中レプチン値との相関などについて調べている。
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Research Products
(1 results)