2004 Fiscal Year Annual Research Report
T細胞のアポトーシスにおけるClC-3Bの役割とその制御機構
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15590221
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小倉 武彦 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (00292673)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中谷 晴昭 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (60113594)
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Keywords | クロライドチャネル / リンパ球 / チロシンリン酸化 / ClC-3 / アポトーシス |
Research Abstract |
1.ClCチャネル遺伝子群の中で、ClC-3、ClC-4、ClC-5は互いに相同性が高く、いずれも培養細胞を用いた発現系で外向き整流性のCI^-電流を通すことが知られている。ヒトリンパ球におけるこれらのチャネル遺伝子の発現をRT-PCR法により検討したところ、ClC-3Aおよび3Bはヒト末梢T細胞およびB細胞のいずれにも発現していた。ClC-4は主にB細胞に発現しており、ClC-5はT細胞、B細胞のいずれにも発現していた。活性化させたリンパ球では、ClC-3Aおよび3BはT細胞、B細胞のいずれにも発現していたが、ClC-4はB細胞にのみ発現が認められ、ClC-5はT細胞、B細胞のいずれにもほとんど発現が認められなかった。 2.COS1細胞にClC-3Bとp56^<lck>を共発現させると、ClC-3Bはp56^<lck>によるチロシンリン酸化を受けた。ClC-3B蛋白のアミノ酸配列のうち、リン酸化を受ける可能性があるY342、Y689、Y859の3つのチロシン残基のうちの1つあるいは複数をフェニルアラニンに置換した変異株を用いて同様の検討を行なったところ、Y859に変異を加えるとチロシンリン酸化が起こらなくなった。このことから、ClC-3Bの859番目のチロシンがp56^<lck>によりリン酸化されることが明らかとなった。Y859はClC-3Bに特異的なアミノ酸配列の中のチロシン残基であり、ClC-3Aには存在しない。実際に、ClC-3Aはp56^<lck>によりリン酸化されなかった。 3.HT-1080細胞にHA-tagをつけたClC-3B(HA-ClC-3B)とp56^<lck>を共発現させ、抗HA抗体を用いた免疫蛍光染色を行った。HA-ClC-3Bは、単独で発現させると主に細胞内領域に分布していたが、p56^<lck>を共発現させた場合には、単独で発現させた場合と比較して細胞膜表面への発現が増加していた。
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Research Products
(11 results)