2003 Fiscal Year Annual Research Report
接着分子カドヘリンによるシナプス構造の変化と可塑性
Project/Area Number |
15590226
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田中 秀和 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70273638)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平 英一 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (60263240)
郭 哲輝 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (50126570)
三木 直正 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (40094445)
入江 康至 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70303948)
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Keywords | シナプス / 可塑性 / 接着分子 |
Research Abstract |
本年度はシナプスの可塑性のメカニズムのひとつと考えられる、シナプス構造の再構築を(1)可視化し、(2)細胞接着分子の観点から検討した。 (1)短期記憶の座である海馬神経細胞を培養し、蛍光蛋白質GFPを外来性に発現させることにより、薬理学的に加えたシナプス伝達刺激に反応しておこるシナプス構造の形態的変化を観察することができた。神経細胞膜が脱分極すると、興奮性シナプス後構造であるスパインが収縮し、通常みられる運動を止めた。刺激が去り、膜が再分極すると、動きが回復し、刺激後30分ほどで、スパインが正常の1.3倍に拡大した。この形態的可塑性はAMPA型グルタミン酸受容体の影響下にある。 (2)上記のシナプスの動態は、接着分子カドヘリンの機能に依存していることがわかった。カドヘリンの機能阻害を導くドミナントネガティブ産物を神経細胞に強制発現させると、刺激中のスパイン収縮は通常通り見られたが、刺激後の拡大が完全に抑えられた。 このように、シナプス可塑性には細胞接着分子の機能が深く関わっている可能性を指摘することができた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Fujimoto-T, Tanaka-H, et al.: "Arc Interacts with Microtubules/ MAP2 and Attenuates MAP2 Immunoreactivity in the Dendrites"J.Neurosci.Res.. in press. (2004)
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[Publications] Kumamaru-E et al.: "Reticulon3 expression in rat optic and olfactory systems"Neurosci.Lett.. 356. 17-20 (2004)
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[Publications] Phillips-GR, Tanaka-H et al.: "Gamma-Protocadherins are targeted to subsets of synapses and intracellular organelles in neurons"J.Neurosci.. 23. 5096-5104 (2003)
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[Publications] Do-E et al.: "Molecular cloning and characterization of rKAB1, which interacts with KARP-1, localizes in the nucleus and protects cells against oxidative stress"Mol.Cell.Biochem.. 248. 179-185 (2003)