2004 Fiscal Year Annual Research Report
NMRによるβアドレナリン作用薬とレセプター複合体の三次元構造解析
Project/Area Number |
15590239
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Research Institution | Niigata University of Pharmacy and Applied Life Sciences |
Principal Investigator |
長友 孝文 新潟薬科大学, 薬学部, 教授 (60121240)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大貫 敏男 新潟薬科大学, 薬学部, 助手 (60288230)
金子 喜三好 新潟薬科大学, 薬学部, 助教授 (90133462)
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Keywords | β受容体 / NMR / モデリング / β作動薬 / 三次元構造 / リガンド-受容体相互作用 |
Research Abstract |
本研究の目的は、NMRによるβ作用薬と受容体との相互作用を解析することにある。そのために今年度は以下の実験結果を得た。 1 コンピュータモデリング解析により新規化合物(SWR-0342SA)のβ受容体との結合部位のアミノ酸残基を決定した。この化合物とβ1受容体との結合部位はAsp104とLeu335であり、またβ3受容体においてはAsp117,Ser209,Leu303,Ser192であった(Life Sciences投稿中)。SWR-0342SAは、β1受容体よりもβ3受容体に対して選択性の高い理由として、.アゴニストと第3,5,6ヘリックスおよび第2細胞外ループのアミノ酸との間において強い(tight)相互作用があること、.β1受容体においては認められなかったアミノ酸、Ser209,Leu303,Ser191とも結合が認められた。これらの結果は、COS-7細胞に発現させた受容体と用いた親和性評価の結果と良く一致した。 2 β_1-ARのAsp104とLeu335はalanineとlysineに、またβ_3-ARのAsp117とLeu303はalanineとleucineに置換し変異体を作成した。これらの変異体は、β_1-andβ_3-受容体いずれにおいても結合親和性の低下が有意に認められたが、β_1-ARのAsp104とLeu335に対するSWR-0342SAの有意な親和性の低下は認められなかった。一方、β_3-ARsの変異体も^<125>I-ICYPの結合も評価することができなかった。それ故、β_3-ARsの変異体もアゴニストの結合親和性を評価することができなかった。そこで、β_1 ARのAsp104とLeu335もわずかに親和性を持つことや、β_3-ARsにおけるAsp117やLeu303がリガンドの結合に重要であることなどを明らかとした。 3 これらの結果をNMRを用いて証明するためにさらに以下の実験をおこなっている。現在進行中であるが、各ループのペプチドを合成している。しかしながら、NMR測定のために各ループのアミノ酸(アミノ酸数約25-35のポリペプチド)を溶解する溶媒を検討中である。この溶媒が見つかればNMRの測定が可能となる。
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Research Products
(1 results)