2004 Fiscal Year Annual Research Report
| Project/Area Number |
15590240
|
|---|
| Research Institution | Osaka Medical College |
|---|
Principal Investigator |
金 徳男 大阪医科大学, 医学部, 講師 (90319533)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高井 真司 大阪医科大学, 医学部, 助教授 (80288703)
村松 理子 大阪医科大学, 医学部, 助手 (30330096)
|
|---|
| Keywords | キマーゼ / アンジオテンシンII / TGF-β1 / 心臓線維化 / 肝臓線維化 |
|---|
| Research Abstract |
近年、キマーゼがアンジオテンシン変換酵素(ACE)以外のもう一つの新しいアンジオテンシン(A)II産生酵素として注目を浴びている。また、キマーゼがプロコラーゲンからコラーゲン産生、プロマトリックスメタプロテアーゼProMMP)の2と9および潜在型TGF-β1の活性化など、多彩な酵素学的活性を持っていることが最近明らかとなってきている。このような酵素学的性質から、キマーゼが細胞外マトリックスの量的調節を介して種々の臓器の線維化に深く関与することを覗わせる。
1)ラット肝臓線維化におけるキマーゼの役割
ラット同一固体の肝臓に生理食塩水、ヒトキマーゼ精製品と熱処理ヒトキマーゼをマイクロビーズ(部位の特定のため)と混和して注入した結果、生理食塩水注入群に比べてヒトキマーゼ注入群の肝臓局所の線維化面積が顕著に増加し、しかも、投与量に依存した。一方、熱処理ヒトキマーゼ注入群の肝臓局所線維化面積はヒトキマーゼ注入群より有意に少なかった。肝臓線維化周辺には肥満細胞の浸潤、AII、AT1およびTGF-β1陽性染色像などが強く認められた。このようなことより、キマーゼの肝臓線維化への直接関与が示されたが、この線維化促進作用にAIIとTGF-β1などがどのように関与しているかを詳細に検討中である。
2)イヌ心臓線維化におけるキマーゼの役割
これまでに、当教室ではハムスターの心筋症と心筋梗塞モデルにおけるキマーゼ阻害薬の有用性について報告してきた。このようなモデルにおいて、キマーゼ阻害薬の投与は心臓のコラーゲン沈着による心臓線維化を優位に抑制したことより、キマーゼの心臓線維化促進作用が示唆されたが、その詳細な機序については未だ不明である。実験1)と同様な方法を用いて、キマーゼの心臓線維化とその詳細な機序について現在検討中である。
|
