2004 Fiscal Year Annual Research Report
繊維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)を介する新しい情報伝達機構の発見
Project/Area Number |
15590251
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
横手 秀行 和歌山県立医科大学, 付置研究所, 助手 (60316122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂口 一成 和歌山県立医科大学, 付置研究所, 教授 (60178548)
荊 雪楓 和歌山県立医科大学, 付置研究所, 助手 (70316123)
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Keywords | FGFR / Eph / 神経幹細胞 |
Research Abstract |
我々の研究課題は FGFRとEphの相互作用がもたらす細胞内情報伝達機構を解明すること、および神経幹細胞増殖、分化、遊走の分子機序をFGFRとEphの相互作用という視点で解明することである。これまで得られた知見を以下に記す。 (1)FGFR/EphA4の相互作用の生理学的意義 FGFRとEphA4を共発現している神経系細胞P19 cellをephrinで刺激すると、FGFR/EphA4の結合およびEphA4の活性化によるFGFRのリン酸化が確認された。さらにマウス神経幹細胞においてFGFRとEphA4の共局在が形態学的に確認され、生化学的にも空間的にもFGFR/EphA4の相互作用が証明された。 (2)FGF受容体の主要シグナリング(FRS2-Ras-MAPK)への影響 FRS2はFGFRの下流で働く分子であり、実際の細胞ではEphA4/FGFR/FRS2は複合体として存在していることを我々は明らかにしている。FRS2はEphA4/FGFRの相互作用の存在によりそのリン酸化は増強し、さらに下流のRas-MAPKのシグナルをも増強することが分かった。この機序はマウス神経幹細胞でも確認されており、EphA4/FGFRの相互作用は神経発生および再生において極めて重要であることが分かった。
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