2004 Fiscal Year Annual Research Report
結晶構造に基づくヘムオキシゲナーゼによるヘム分解機構の検討
Project/Area Number |
15590260
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
野口 正人 久留米大学, 医学部, 教授 (10124611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 寛 久留米大学, 医学部, 講師 (70309748)
東元 祐一郎 久留米大学, 医学部, 助手 (40352124)
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Keywords | ヘムオキシゲナーゼ / ヘム分解反応 / α-ヒドロキシヘム / ベルドヘム / ビリベルジン / 結晶解析 / 構造生物学 |
Research Abstract |
ヘムオキシゲナーゼ(HO)は,基質であるヘムが自触的にO_2を活性化し、3段階の酸素添加反応(ヘム→α-ヒドロキシヘム→ベルドヘム→ビリベルジン)によってヘムを開環し,ビリベルジン・Fe・COを生成する。我々は,結晶構造解析から,第1の水酸化反応における活性酸素種がFerric peroxideであることを明らかにし、酸素原子間の結合はinversed heterolysisによって解裂されることを提唱した。第2反応の電子要求性については,α-ヒドロキシヘムからベルドヘムへの転換がO_2のみで起こり、生成されたベルドヘムは2価であること明らかにした。CO結合型酵素の構造から,HOが自ら生成するCOによって反応阻害を受けない構造的基盤を明らかにした。一方、HOと電子供給系であるNADPH-cytochrome P450 reductase(CPR)との相互作用について、表面プラズモン共鳴法を用いて検討した。野生型HOとCPRは、NADP^+が存在すると、そうでない場合に比べて約5倍強く結合することが知られた。K149A変異酵素では、CPRとの結合が約7倍低下していたが、野生型酵素と同程度のNADP^+添加効果がみられた。R185A変異酵素ではCPRとの結合が約20倍低下していた。この変異酵素ではNADP^+の添加効果はみられなかった。コンピュータモデリングと併せて検討した結果、K149は、CPR内のFMN結合ドメイン近傍のacidic clusterを介して、R185は、CPRに結合したNADPHを介して、それぞれCPRとの相互作用に関与していることが示唆された。
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Research Products
(7 results)