2004 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子E2F1によるp53フアミリー蛋白質p73の負の制御機構
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15590261
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Research Institution | Chiba Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
尾崎 俊文 千葉県がんセンター, 生化学研究部, 上席研究員 (40260252)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川原 章 千葉県がんセンター, 研究局, 局長 (50117181)
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Keywords | p53 / p73 / E3 ligase / ubiquitin / proteasome / RanBPM / UFD2a / apoptosis |
Research Abstract |
我々は酵母のtwo-hybrid法を用いたスクリーニングの結果、p73結合蛋白質の一つとしてRan結合蛋白質であるRanBPMを同定した。過剰発現系による免疫沈降実験およびGST pull-down assayから、RanBPMはp73αのカルボキシ末端領域に結合することが判明した。一方、RanBPMとp53の相互作用は検出されなかった。さらに、RanBPMはp73αの転写活性化能ならびにアポトーシス誘導能を増強する機能を持つことが認められた。興味深いことに、RanBPMはp73αのユビキチン化を阻害し、その半減期を延長させることが明らかになった。従って、RanBPMとの結合によってマスクされるp73αのカルボキシ末端領域に存在するリシン残基が、ユビキチン化の標的である可能性が示唆された。また、我々はシスプラチンによるアポトーシス誘導過程において、U-box型E3/E4ユビキチンリガーゼであるUFD2aの発現低下を伴うp73の蛋白質レベルでの安定化を見い出した。実際にUFD2aはp73と結合し、その過剰発現によってプロテアソーム依存性のp73の分解が促進し、その転写活性化能ならびにアポトーシス誘導能の顕著な阻害が観察された。さらに、アンチセンスRNAを用いて内在性のUFD2aをノックダウンさせると、p73の半減期の延長および転写活性化能の昂進が認められた。一方、UFD2aはp53の安定性および活性に対しては影響を及ぼさなかった。興味深いことに、UFD2aによるp73の分解においてはユビキチン化の誘導は検出されず、さらにE3/E4ユビキチンリガーゼ活性を欠くUFD2aの変異体も、p73に対する分解活性を保持していた。従って、p73の安定性はユビキチン依存性およびUFD2aによるユビキチン非依存性の蛋白質分解システムによる制御を受けている可能性が示唆された。
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