2005 Fiscal Year Annual Research Report
脂質メディエーターの過酸化を介する神経系細胞死誘導機構の解明
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15590268
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Research Institution | Kanazawa University Graduate School of Medical Science |
Principal Investigator |
樋口 善博 金沢大学, 医学系研究科, 助手 (10019630)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 尚 金沢大学, 医学系研究科, 助教授 (40210009)
谷井 秀治 金沢大学, 医学系研究科, 助教授 (90110618)
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Keywords | 紫外線照射 / アポトーシス / DNA損傷 / 巨大DNA断片化 / 8-ヒドロキシグアノシン / スパーゼ / ネクローシス / グルタチオン枯渇 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、Cタイプ(200-290nm)の紫外線照射によるDNA損傷と細胞死との関連性を具体化するために細胞死の過程で引き起こされる染色体DNAの断片化と細胞死を、特にアポトーシスとの関連性を、またその過程において活性酸素の介在の関与の可能性を検討した。50J/m^2の致死量の紫外線照射によってT24ヒト膀胱癌細胞は、初期段階で1-2Mbpの巨大DNA断片化を伴うDNA損傷が起き、カスパーゼ-9のカスパーゼ-3活性化,終期段階でのヌクレオソームDNA断片化が観察され、紫外線照射によるその細胞死はアポトーシスであることを確認した。染色体DNAは細胞内活性酸素OHラジカルによってグアニン塩基が水酸化反応を受け、8-ヒドロキシグアノシン(8-OH-dG)を産生することが知られているが、しかしながら紫外線照射によっては8-OH-dGにみられる酸化反応は起きなかった。ジクロロフルオレセイン法による分析では紫外線照射による活性酸素の増加は認められなかった。また抗酸化剤による効果も認められなかった。 以上の研究結果から紫外線照射による細胞死は、初期段階で活性酸素非依存性の巨大DNA断片化を引き起こし、カスパーゼの活性化を伴うアポトーシスと考えられ、この過程には細胞内活性酸素が関与していないことが明らかになった。また、この系ではC6細胞におけるグルタチオン枯渇誘導での細胞死は、つまり活性酸素関与の場合のその機構はネクローシスであり、活性酸素非依存の場合はアポトーシスによる誘導死であると示唆された。
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Research Products
(4 results)