2004 Fiscal Year Annual Research Report
慢性関節リウマチの病態形成におけるミッドカインの役割
Project/Area Number |
15590270
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
村松 壽子 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (50182134)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門松 健治 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80204519)
|
Keywords | ミッドカイン / 慢性関節リウマチ / ノックアウトマウス / コラーゲン誘導関節炎 / 破骨細胞 |
Research Abstract |
前年度の研究により、ミッドカイン(MK)が慢性関節リウマチ(RA)の病態形成において、炎症細胞の誘導、破骨細胞の分化誘導という2局面において深く関与していることが判明した。そこで、RAの治療にむけて、MKを分子標的としてコラーゲン誘導関節炎の発症が阻止できないかについて検討した。 これまでの実験にはすべてC57BL/6Jマウスを用いたが、このマウスは抗II型コラーゲン誘発性関節炎に比較的罹り難く、関節炎カクテルをマウス1匹あたり8mgを投与する必要があった。関節炎カクテルは効率良く関節炎を発症するが、非常に高価で、多数のマウスを使う実験はできない。Balb/Cマウスでは関節炎カクテルをマウス1匹あたり1mg投与することで、関節炎が発症することが報告されている。そこで、C57BL/6JバックグランドのMK遺伝子ヘテロマウスとBalb/Cとの交配を繰り返して、F;10以上のBalb/CバックグランドのMK遺伝子ノックアウトマウス(Balb/C-Mdk-/-)を得た。そして、このBalb/C-Mdk-/-もまた野生型Balb/Cに比べて関節炎に罹り難いことが判明した。 次にMKの発現を抑制するために、MKのアンチセンスオリゴDNA投与によって、コラーゲン誘導関節炎の発症を阻止できる条件を検討した。関節炎カクテルの量、オリゴDNAの量および投与方法などについて検討したところ、関節炎カクテルは1mgを2日間連続投与し、その翌日LPSを投与し、2時間後にオリゴDNAを1mg投与したマウス群で最も抑制効果があった。すなわち、コントロールであるMKセンスオリゴDNA投与群の関節炎点数(関節炎の重篤度を0-10まで数値化したもの)の平均値が7.5に対して、MKアンチセンスオリゴDNA投与群ではその値が4であった。 更に、MKノックアウトマウスより採取した骨髄細胞は野生型の細胞に比べて、M-CSF, RANKL存在下で、有意に破骨細胞への分化誘導がされ難いことも見出した。また、MKファミリーの一員であるプレイオトロピンにも骨髄細胞から破骨細胞への分化誘導能があることも見出した。
|
Research Products
(4 results)