2003 Fiscal Year Annual Research Report
オルガネラプロテオミクスに基づくペルオキシソーム形成とその障害の分子機構の解明
Project/Area Number |
15590274
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
池田 和子 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 助手 (10108863)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下澤 伸行 岐阜大学, 医学部, 助教授 (00240797)
谷口 寿章 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 教授 (10257636)
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Keywords | Lonプロテアーゼ / ペルオキシソーム / ペルオキシソーム移行シグナル |
Research Abstract |
オルガネラプロテオミクスによって,ラット肝ペルオキシソーム中に固有のLonプロテアーゼ(LonPx)が見出された.このタンパク質は一次構造においてミトコンドリアに局在するLonプロテアーゼとホモロジーを示したが,C末端にペルオキシソーム移行シグナルであるSer-Lys-Leu(PTS1)配列を有する点で異なっていた.LonPxを大腸菌中で発現させて部分精製し,その性質を検討した.ネイティブタンパク質のほかに,N末端にNus, GST, Hisなどのタグを導入したプラスミドコンストラクトを構築し,様々な大腸菌宿主を用いて温度条件を変えて発現を試みたが,活性を持った可溶性タンパク質として大量に発現する系は見つからなかった.ベクターにpET15bを用いてN末端にHisタグを導入したLonPxを,大腸菌Rosetta-gamiB(DE3)pLysS中で発現誘導し,可溶性タンパク質をNiカラムで部分精製した.得られた標品はATPase活性およびATP依存性のpeptidase活性とprotease活性を示し,ゲルろ過で分子量100万以上のサイズをもつ多量体および単量体と思われる位置に溶出された.ラット肝ペルオキシソーム画分中のLon proteaseもゲルろ過で同様の多量体として溶出されることから,大腸菌Lonプロテアーゼなどと同様,LonPxも生理的に多量体として働いていることが示唆された. LonPxのC末16残基のペプチドに対する抗体を用いて動物細胞中の局在を検討したところ,ペルオキシソーム膜たんぱく質であるPMP70と共局在を示した.さらに全長およびPTS1を欠失したLonPx cDNAを動物細胞発現ベクターに導入してCOS-7細胞にトランスフェクションすると,後者はペルオキシソームへ移行せず細胞質にとどまることから,PTS1がペルオキシソームのマトリックスへの移行に働いていることが確認された. 現在RNAi法によるLonPxの生理的機能を検討中である.
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Research Products
(1 results)