2003 Fiscal Year Annual Research Report
脂質合成転写因子SREBPのインスリンプロモーター活性化とその機構の解明
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15590284
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Research Institution | Okinaka Memorial Institute for Medical Research |
Principal Investigator |
雨宮 三千代 財団法人冲中記念成人病研究所, 研究員 (00288101)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島野 仁 筑波大学, 代謝内分泌内科, 講師 (20251241)
村勢 敏郎 財団法人冲中記念成人病研究所, 所長 (60107612)
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Keywords | 糖尿病 / SREBP / インスリン / 転写 / 脂肪毒性 / 脂質代謝 |
Research Abstract |
Sterol response element binding protein(SREBP)は肝臓でコレステロールや脂肪酸合成を制御する包括的転写因子である。SREBPはbasic helix-loop-helix型の転写因子に属し、アイソフォームは3種類ある(SREBP-1a、-1c、-2)。肝臓ではSREBP-2が細胞内ステロール低下で誘導され、コレステロール合成系酵素の遺伝子を活性化するのに対し、SREBP-1cは食餌(絶食から再摂食のグルコースの変化)で発現が誘導され、脂肪酸合成系酵素の遺伝子を活性化する我々は糖で誘導される肝臓のSREBPの標的遺伝子を探索している中で、膵臓のインスリンプロモーター上にもSREBPが認識するシス配列が存在することを発見した。本年度は、非β細胞系においてラットインスリンプロモーターIを解析した結果、転写開始点上流L715bpにSREBPが認識するシス配列が3箇所あり(SRE1、SRE2、SRE3)、このうちSRE1およびSRE2配列は、既知の膵β細胞特異的インスリン転写因子(BETA2/E47)が結合するE-boxと一部重複していた。非β細胞(HepG2、293)にラットインスリンプロモーターのルシフェラーゼプラスミドおよびSREBPの発現プラスミドを遺伝子導入し、転写活性を比較したところ、肝臓と異なりSREBPのアイソフォームによる特異性はなく、全て単独で活性化した。ゲルシフト法でSREBPのDNA結合部位を同定したところ、SRE配列はE-boxと重複しているにも関わらず、SRE1,SRE2配列に特異的に結合した。現在は膵β細胞特異的転写因子であるPDX1、BETA2、E47とSREBPとの相互作用を解析しているこの結果の一部は2003年フランスで開催された国際糖尿病学会(IDF)において、口頭発表した。
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Research Products
(1 results)