2003 Fiscal Year Annual Research Report
低酸素シグナルの新規制御因子の解析に基づいた臨床への応用
Project/Area Number |
15590287
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
加藤 裕之 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (30301732)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星野 真人 (財)東京都医学研究機構, 研究員 (40212196)
芝崎 太 (財)東京都医学研究機構, 副参事研究員 (90300954)
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Keywords | 低酸素 / ピストン脱アセチル化酵素 / 核内移行 / 核外移行 / Yeast two-hybrid system |
Research Abstract |
本年度は、Yeast two-hybrid systemにより得られたHIF-1α結合タンパク質であるヒストン脱アセチル化酵素7(HDAC7)とHIF-1αの相互作用について詳細に検討した。 HIF-1α上のHDAC7結合部位なちびにHDAC7上のHIF-1α結合部位を、HIF-1αおよびHDAC7のフラグメントをつくり、Mappingをyeast two-hybrid systemを用いて行なった。その結果、HIF-1α上のID(inhibitory domain)のC末側がHDAC7結合のminimal domainとして、また、HDAC7のC末端がHIF-1α結合部位として同定できた。また、更に、ヒト胎児腎由来のHEK293細胞をもちいて、HIF-αファミリーメンバー(HIF-1α,2α,3α)とClas II HDACファミリーメンバー(HDAC4,5,7)の結合について免疫沈降法により調べたところHIF-1αとHDAC7の結合は特異的であることが明らかになった。HIF-1αとHDAC4,5,7の細胞内の局在を常酸素下、低酸素下で調べてみたところ、HDAC7は常酸素下では主に細胞質に局在しているが、低酸素下ではHIF-1αと共に核に移行していた。一方、他のClass II HDACファミリーメンバーである、HDAC4とHDAC5は酸素濃度の変化により局在は変わらなかった。更に、核移行シグナル(NLS)を欠損させた変異体を用いた研究から、低酸素下ではHIF-1αがHDAC7を引き連れて核に移行していることが分かった。また、HIF-1αの転写に重要なコファクターp300とHIF-1αとの結合に対してHDAC7は阻害作用を及ぼさず、p300、HIF-1α、HDAc7は3量体を形成していることが明らかとなった。低酸素から常酸素への移行の際には、HDAC7がHIF-1αの核外移行に重要な役割を果たしていた。 以上の結果からHDAC7はHIF-1αの重要な機能調節タンパクであり、酸素濃度により異なった作用をしていることが新たにわかった。
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