2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15590295
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
古川 徹 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (30282122)
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Keywords | DUSP6 / MKP-3 / MAPK / pancreatic cancer / microarray / gene therapy / PanIN / IPMN / hypermethylation |
Research Abstract |
DUSP6/MKP-3を用いた膵癌制圧機構の解明を目的に研究を行い、以下の成果を得た。 1.DUSP6導入による遺伝子動態の解析:マイクロアレイ解析によりDUSP6導入により発現が顕著に抑制される遺伝子80個を抽出し、これらは細胞周期・分裂関連16、信号伝達系9、DNA複製・維持7、その他機能13、機能未知35遺伝子に分類された。細胞分裂関連遺伝子において発現調節機構を解析し、MAPK活性とそのpromoter活性が相関することを見いだした。発現が亢進する遺伝子83個を抽出し、これらは細胞内輸送6、細胞増殖関連5、信号伝達系4、転写調節4、免疫関連4、その他機能19、機能未知41遺伝子に分類された。 2.細胞死関連分子を中心とした蛋白レベルでの機能分子の同定と解析:DUSP6導入によりBH3ドメイン蛋白の発現が変化することを見いだした。 3.実際的なin vivoでの実験的遺伝子治療:ヒト膵がん細胞のヌードマウス皮下移植腫瘍形成モデルでDUSP6組込高力価精製非増殖型アデノウィルスベクターの注入効果を解析し、腫瘍の著明な縮小を一部で認めたが全個体の総合では統計学的有意差は得られなかった。 4.DUSP6遺伝子の不活化機構:DUSP6の遺伝子発現調節候補領域における解析でintron 1のCpG集中領域にhypermethylationを見いだした。Hypermethylationは原発性膵癌組織においてDUSP6蛋白の発現消失、特に低分化型腺癌で有意な相関を認め、その発生に関与することが示唆された。 5.膵前癌病変におけるDUSP6蛋白発現の変化:DUSP6蛋白発現を膵上皮内腫瘍性病変(PanIN),膵乳頭粘液性腫瘍(IPMN)において検索し、PanINでは発現が保持され、癌化のゲートキーパーとして機能している可能性が示されたが、IPMNでは一部で発現が減弱しており、その発生に関与する可能性が示された。
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Research Products
(10 results)