2004 Fiscal Year Annual Research Report
肝内胆管消失症候群における胆管再生・修復不全の分子機構の解析-粘膜再生因子trefoil factor family-1,2,3の関与を中心に-
Project/Area Number |
15590297
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
佐々木 素子 金沢大学, 医学系研究科, 助教授 (70225895)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 保則 金沢大学, 医学系研究科, 助手 (30324073)
中沼 安二 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (10115256)
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Keywords | 肝内胆管消失症候群 / 原発性胆汁性肝硬変 / trefoil factor family(TFF) / 肝内小型胆管 / 免疫組織化学 / 細胞老化 |
Research Abstract |
(1)肝内胆管消失症候群におけるTFF1〜3/TFF受容体系発現と各種細胞老化関連因子,胆管上皮障害因子,増殖調節因子との関連性の検討 1)免疫組織化学的検討:肝内胆管消失症候群;原発性胆汁性肝硬変(PBC)35例,原発性硬化性胆管炎(PSC)10例,移植後慢性拒絶肝10例と,対照疾患肝;閉塞性黄疸肝(EBO)22例,慢性ウイルス性肝炎(CH)21例,正常肝22例の外科的生検,切除肝を用いて,免疫組織化学的に肝内胆管上皮におけるTFF1〜3/TFF受容体系発現と細胞老化関連p21^<WAF1/Cip1>,p16^<INK4a>発現の関連を検討した.また、細胞組織化学的に胆管細胞の老化を検討した。その結果,1)正常肝、対照肝の肝内小型胆管には細胞老化はないこと、2)移植後慢性拒絶肝の肝内胆管には高率に胆管細胞の老化がみられること、3)PBCの肝内小型胆管では、胆管障害部に一致して高率に胆管細胞の老化がみられること、4)PBC肝内小型胆管にみられる老化細胞とTFF2発現細胞の局在はほぼ一致すること、が明らかになった。 2)RT-PCR法による検討:肝組織中の細胞老化関連因子のmRNA発現を検討した。その結果,PBC肝では細胞老化関連p21^<WAF1/Cip1>,p16^<INK4a>発現がやや高い傾向にあった。 (2)培養胆管上皮における粘膜再生因子TFF1〜3/TFF受容体系の発現と細胞老化の検討 培養マウス胆管上皮細胞株を用い,酸化ストレスやTNF-αなどのサイトカインを加えて、TFF1〜3/TFF受容体系発現と細胞老化の関連を検討した。その結果、1)酸化ストレスは培養マウス胆管細胞に細胞老化を誘導すること、2)この時、細胞老化関連p21^<WAF1/Cip1>,p16^<INK4a>の発現亢進が見られること、が明らかになった。TFF1〜3/TFF受容体系発現との関連性については現在検討中である。
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Research Products
(4 results)