2003 Fiscal Year Annual Research Report
若年者に発生する甲状腺癌の生物学的特性とその背景因子に関する分子病理学的研究
Project/Area Number |
15590299
|
Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
加藤 良平 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (30152755)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 哲夫 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助手 (30334858)
中村 暢樹 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助手 (40332671)
村田 晋一 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助教授 (20229991)
|
Keywords | 若年者甲状腺癌 / ホルモン産生 / RET遺伝子 / 遺伝子再構成 / 免疫組織化学 / in situ hybridization / RT-PCR |
Research Abstract |
現在までの甲状腺癌に対する基礎的データを踏まえて、小児および若年者(19歳以下)に発生する甲状腺癌の臨床病理学的特徴とその発生、進展における背景因子について解析することとした。平成15年度の実績について以下のように箇条書きにする。 1)若年者に発生する甲状腺癌の遺伝子異常の背景を検討するために、本学および本学以外の施設(東京女子医科大学、伊藤病院など)から19歳以下の患者に発生した甲状腺癌を30例程度の集積した。さらに、対照群として、30歳以上の患者に発生した甲状腺癌200例を集めた。 2)集めた若年発生甲状腺癌について、組織形態学的なReviewを行った。その結果、若年発生の甲状腺癌において、充実性構造の出現が特徴とみなされた。また、臨床病理学的に悪性度が成人例に比較して高いことが判明した(腺内転移や甲状腺以外の臓器とくにリンパ節が高頻度でかつ広範に認められる) 3)パラフィン切片を用いて、甲状腺転写因子(TTF-1)をはじめとする、ホルモン関連蛋白の抗体を入手し、一部の症例では免疫組織学的検討を行った。 4)検討は、RET遺伝子の再構築(Rearrangement)の解析には、RT-PCR法を用いることとし、そのためのプライマーの作製とその条件設定を行った。 5)RT-PCRのための陽性コントロールを入手した。 6)パラフィン切片からのRNA抽出法を検討した。 以上、平成15年度は、材料の収集とともに、解析法の決定とその条件設定を行った。引き続きこれらのことを検討するつもりである。
|