2003 Fiscal Year Annual Research Report
胚中心B細胞の成熟分化過程におけるCETPの発現とその意義について
Project/Area Number |
15590321
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
伊藤 金次 東邦大学, 医学部, 助教授 (40057758)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 元信 東邦大学, 医学部, 教授 (30120281)
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Keywords | CETP / MALTリンパ腫 / 濾胞性リンパ腫 / びまん性リンパ腫 / in situ hybridization |
Research Abstract |
Cholesteryl ester transfer protein(CETP)は血漿中のリポ蛋白の輸送を修飾する分子であるが、これまで本分子に関する研究の殆どがこの血漿中の働きを解析した研究である。しかし血漿中以外、脾臓やリンパ節などに存在することが知られているがその子細については不明であった。我々は本分子の局在とその機能について検索した。CETPはノーザンブロット法による解析では正常ヒト扁桃、リンパ節、脾臓にmRNAの強い発現を認めた。in situ hybridization法による解析で主としてこれらのリンパ濾胞中心に存在し一部周辺(marginal zone)に存在していた。CETP陽性細胞はCD3-,CD20+、CD19+CD79a+を示すB細胞であることが確認された。CETPの免疫組織化学による検索のためにCETPアミノ酸配列433-443の部位に対するウサギポリクロナールを作成した。作成した抗体の特異性はCos-7細胞にCETPの全長とGFPとのキメラ蛋白導入させ、得た蛋白のウェスタンブロット法により特異性を確認した。この抗体を使用した免疫組織化学的解析により、正常のリンパ組織では、in situ hybridizationと同様な分布を確認した。悪性リンパ腫141例についてCETPの免疫組織学的検索では103例のB細胞性リンパ腫のうち68例(66%)が陽性を示した。濾胞性リンパ腫では6/7例に陽性、MALTリンパ腫では7/12例で陽性を示し、びまん性大細胞では52/67例で陽性を示した。mantleリンパ腫、plasma細胞リンパ腫では陰性を示した。ホジキンリンパ腫では18/22例で陽性を示した。いずれのT細胞性リンパ腫では陰性を示した。CETP陽性びまん性B細胞リンパ腫の性格を知るためにCD10、Bc16との関連性を調べた。 CETP陽性例では53%にBc16の陽性を示したが陰性例との有為差は見られなかった。CETP陽性例におけるCD10陽性は6.9%に陽性を示し、同様に有為差は見られなかった。以上、CETPは胚中心および胚中心後の正常B細胞とそのneoplastic couterpartsに発現した。
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Research Products
(1 results)