2003 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト肉腫細胞の転移におけるがん細胞・宿主相互応答に関わる遺伝子群の解析
Project/Area Number |
15590322
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
上田 善道 金沢医科大学, 医学部, 教授 (50271375)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 拓也 金沢医科大学, 医学部, 講師 (40293360)
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Keywords | ヒト線維肉腫細胞 / HT1080 / 肺転移 / c-DNAマクロアレイ / Laser microdissection / 宿主細胞 / 活動性新生血管 |
Research Abstract |
1.ヒト肉腫細胞の肺転移病巣形成に関わる遺伝子群の解析: ヒト線維肉腫樹立細胞HT1080を用い,ヌードマウス尾静脈内接種による肺転移巣と培養親株間で発現に差のみられる遺伝子群を,クローンテック社製Cancer 1.2メンブレンを用いたcDNAマクロアレイ法によりスクリーニングした。その結果,肺転移巣では,fibronectin 1, notch homolog 4, collagen type VI alpha 1の細胞外基質・形態形成関連遺伝子群や,TNF receptor-associated factor 3やprogrammed cell death 2などのアポトーシス関連遺伝子群が有意に発現亢進していた。これら遺伝子群の発現亢進は,applied biosystems社製Assay on demandで得られたprobe, primersを用いたreal-time RT-PCRでも確認された。現在,肺転移巣の新鮮凍結切片を用いたlaser-captured microdissection/real-time RT-PCR法で,厳密な発現細胞の特定を進めている。 2.ヒト肉腫細胞の浸潤・転移における宿主細胞・癌細胞相互応答に関わる遺伝子群の解析 ヒト線維肉腫樹立細胞HT1080をheel pad (subcutaneous tissue)と大腿筋筋肉内に接種し,宿主細胞(環境)の違いによる腫瘍細胞の増殖と肺微小転移の違いを検討した。Heel padに比べ大腿筋内接種群では,腫瘍細胞の増殖と肺微小転移形成は飛躍的に亢進した。大腿筋接種部腫瘍には,新生血管数が有意に増加し,かつ,周皮細胞を欠く活動性血管の増加が確認された。Heel pad部と大腿筋内接種部腫瘍間の遺伝子発現の違いを,現在cDNAマクロアレイ法で解析中である。
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