2004 Fiscal Year Annual Research Report
老化関連蛋白Klothoの分子生物学的機能解明と病態治療への応用
Project/Area Number |
15590342
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
楽木 宏実 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (20252679)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大石 充 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (50335345)
荻原 俊男 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (60107042)
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Keywords | Klotho / 老化 / ビタミンD / Ca代謝 / PKC / 血管老化 |
Research Abstract |
Klotho遺伝子を過剰発現させるpCAGGS-KlothoベクターをCOS-1細胞に遺伝子導入し、その上清を用いて各種細胞を培養する事でKlotho遺伝子による細胞内シグナルを調べた。KlothoによりcAMP濃度はほとんどの細胞で活性上昇を示したが、PKC活性はKlotho遺伝子が発現している腎臓と精巣の細胞においてのみ活性上昇していた。よってKlotho蛋白濃度が高い臓器においては他の臓器と異なる作用を及ぼしていると考えられた。また腎臓近位尿細管細胞においてKlothoによるCa代謝作用を調べた所、Vitamin Dを活性化する酵素である1α-OHaseを抑制する事が明らかとなり、ノックアウトマウスではこれによって血中VitaminD濃度、Ca濃度が上昇している事が分かった。このKlothoによる作用がどの細胞内シグナルを介しているかを調べるためにcAMP及びPKCを抑制、上昇させて1α-OHaseの発現を調べたがそれによる変化はなく、他の異なる細胞内シグナルが関与している可能性が考えられた。さらに同じKlothoベクターを高血圧発症モデルであるSHRの尾静脈に注入して血圧に対する影響、抗酸化作用を調べた。血圧値に関してはKlothoによる影響は認めなかったが、肝臓及び腎臓においてMnSODの活性亢進、過酸化脂質の減少を認めた。さらにL-NAMEを投与した群ではこれらの活性変化が減弱したため、Klotho蛋白による抗酸化作用は一部NOを介している事が分かった。以上の事からKlotho蛋白がCa代謝、及び抗酸化系としての機能を有している可能性が示唆された。
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Research Products
(5 results)