2004 Fiscal Year Annual Research Report
炎症時のインターフェロンγによるシトクロムb558重鎖遺伝子発現誘導機構の解析
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15590348
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
熊取 厚志 長崎大学, 熱帯医学研究所, 講師 (60244092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 章一 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助手 (40253695)
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Keywords | gp91phox / CYBB / インターフェロンγ / IRF / シトクロムb558 / 転写 |
Research Abstract |
A.前単球細胞におけるIFN-γによるCYBB遺伝子転写促進機構の解明。 (1)U937細胞とCYBB遺伝子+12から-115塩基を持つレポータープラスミド(p-115/+12)を用いIRF-8過剰発現を行ったところ、p-115/+12の発現が約2倍促進されたことから、IRF-8のCYBB遺伝子定常発現への関与が示唆された。また、IRF-2過剰発現を行ったところ単独では顕著な効果は認められ無かったが、IRF-8によるp-115/+12の発現誘導を増強したことから、IRF-2とIRF-8とのCYBB遺伝子定常発現における協調機構の存在が示唆された。一方、IRF-1は本協調機構をむしろ阻害したことから、IFN-γによるCYBB遺伝子転写促進機構が単なるCYBB定常発現機構の修飾では無い事が示唆された。 (2)U937細胞よりより単球に分化しているTHP-1細胞とp-115/+12を用いIFN-γによるCYBB遺伝子転写誘導実験を行ったところ、顕著な誘導が認められなかったことから、両細胞のIFN-γによる誘導機構が異なる事が示唆された。 B.IFN-γによるCYBB遺伝子発現誘導に影響をおよぼす事が知られている炎症性因子の作用機序の解析。: U937細胞をフォルボールエステル(PMA)を用いた2種類の方法でマクロファージに又ビタミンD3(VD3)+レチノイン酸(RA)を用いた方法で単球に分化させた細胞を用い、LPS刺激に対する反応性をTNF-α、IL1-β、IL-10,IL-12,およびIL-8の産生量から調べたところ,未刺激細胞とVD3+RA誘導型単球は、ほぼ同様の低い反応性を示したが、いずれのPMA誘導型マクロファージは高い反応性示した。この結果はIFN-γによるCYBB遺伝子発現誘導に影響をおよぼす因子がマクロファージと単球では大きく異なることを示す。 C.Real time PCR法によるCYBB mRNA定量法の確立。 サイバーグリーン法によるCYBB mRNA定量法を確立し、レポーター遺伝子導入実験等において実際の内在性CYBB mRNAの誘導状態も同時にモニターできるようになった。 D.IRF-4の樹状細胞の分化に重要であることの発見。 本研究に関連して樹状細胞におけるCYBB遺伝子発現機構解析したところ、IRF-4がGM-CSFによる樹状細胞の分化に重要であることが見出された。
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Research Products
(1 results)