2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15590362
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Research Institution | Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center |
Principal Investigator |
中山 敦雄 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 発生障害学部, 部長 (50227964)
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Keywords | 転写調節 / RFX1 / E4F1 / 転写補助因子 / レポーターアッセイ |
Research Abstract |
研究計画に従いyeast two hybridの系を用いてRFX1と結合する因子のスクリーニングを進めた。計3×10^6個のHeLa cell由来cDNAライブラリーをスクリーンし、300個の陽性クローンを得た。このうち約180クローンの塩基配列を決定し、転写因子であるRFX1の機能から類推して、これに結合する可能性の高い12クローンのcDNA断片を哺乳類発現ベクターに組み込み、哺乳類細胞内でRFX1と結合するかを強制発現蛋白による免疫共沈法で検討した。この結果、アデノウイルスE4の転写調節を行うE4F1のC末断片、および増殖細胞核抗原(PCNA)のC末半の2つのクローンのみがRFX1と結合することが確認された。E4F1に関してはcDNA全長クローンを米国デューク大学医療センターのRJ Rooney博士より譲り受け、E4F1とRFX1、それぞれの相互作用に必要なドメインの解析を進めた。これによりRFX1の転写活性化ドメインとDNA結合ドメインを含む領域が、アミノ酸配列上E4F1の中央に位置するZinc fingerクラスターと結合することが明らかとなった。さらにE4F1はRFX1と相同性の高いRFX3とも結合することが明らかとなった。RFX1による転写調節にE4F1が与える影響を調べるため、レポーターアッセイ系でpreliminaryな検討を行い、HeLa細胞にE4F1を過剰発現させるとRFX1によるMAP1A遺伝子プロモーターへの転写抑制作用を軽減させることが明らかになった。E4F1がRFX1の転写活性化ドメインを含む領域に結合することから推測しても、この分子はRFX1の転写活性化補助因子として作用する可能性が示唆された。以上までの成果は第26会分子生物学会年会で報告した。さらにレポーターアッセイの系によりE4F1がRFX1の転写抑制化ドメインの有無とは無関係に(すなわち転写抑制を阻害する機能に関与しているのではなく)転写活性化に関与しているかどうかの検討を進めている。PCNAとRFX1との関連に関しでは16年度に解析を進める。
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